エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.589
2017.08.07 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
Ryzen 5 1600とASRock「Fatal1ty X370 Gaming-ITX/ac」を組み合わせたコンパクトPCを構築。気になるパフォーマンスを検証する |
ここからは、Ryzen 5 1600をベースにPCを組み上げ、気になるパフォーマンスを検証していこう。マザーボードはAMD X370チップを採用するMini-ITXマザーボード「Fatal1ty X370 Gaming-ITX/ac」で、グラフィックスカードに全長155mmのRadeon RX 560「Radeon RX 560 AERO ITX 4G OC」を組み合わせたコンパクトPCを構築。また比較対象には、AMDが対抗と謳うCore i5-7600をベースにしたKaby Lake環境を用意した。なお詳細なテスト環境については、以下の「テスト機材構成表」を確認頂きたい。
Ryzen 5 1600の「CPU-Z 1.80.0」の結果。アイドル時は1.55GHz、マルチスレッド処理時はおおむね3.40GHzで推移する |
比較対象には、AMDが対抗と謳うCore i5-7600の環境を用意した |
Core i5-7600の「CPU-Z 1.80.0」の結果。TurboBoost機能により、マルチスレッド時は3.90GHzで動作する |
まずはCPUの純粋な性能を計測するため、定番CGレンダリングソフト「CINEBENCH R15」のスコアを確認していこう。
CINEBENCH R15(cb) |
シングルコアテストは、TurboBoost機能で4.10GHzまで動作クロックが上がるCore i5-7600が、最高でも3.70GHzで頭打ちになるRyzen 5 1600を約4%上回る。とは言え、実クロックの差が約10%あることを考えれば、よく善戦していると言っていいだろう。またマルチコアテストでは、6コア/12スレッドの強みを生かし、Ryzen 5 1600が約8割高いスコアを計測。マルチスレッド処理に対応するアプリケーションでは圧倒的な性能を発揮する。
続いて動画エンコードテスト「HWBOT x265 Benchmark」でも、CPUコアの性能を確認していこう。なお動画サイズはフルHDと4Kの2種類を選択してテストを実施した。
HWBOT x265 Benchmark(fps) |
「HWBOT x265 Benchmark」は、「AVX2」拡張命令に最適化されているためIntel製CPUが有利なテストだが、フルHD/4K解像度とも3割以上フレームレートが向上。マルチスレッドに対応するアプリケーションでは、コア数(スレッド数)に余裕があるRyzen 5 1600の方が、より高速に処理を完了することができる。