エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.593
2017.08.28 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
製品名が示すとおり、「BRIX Gaming VR」はVRゲームも遊べる“VR Ready”の製品。VR HMDの推奨環境をチェックできる「VRMark:Orange Room」を利用して、VRコンテンツへの適性をあらためてチェックしておこう。
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必ずしもぶっちぎりというワケではないものの、スコアは基準値の5000を余裕で上回る安定したテスト結果になった。2.6リットルサイズという超コンパクトモデルながら、VRコンテンツの視聴やVR対応ゲームのプレイも十分可能というワケだ。
引き続き「SteamVR」プラットフォームの快適さを測定する「SteamVR Performance Test」を実行、VRゲームへの適性をチェックしてみよう。
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結果はもちろん“VRレディ”。ミドルレンジクラスのGPUとあって忠実度は平均6.6と標準的だが、設定次第でスムーズなVRゲームプレイが可能なハズだ。
最後にベンチマークテスト中における「BRIX Gaming VR」の挙動を確認し、テストセッションを締めくくろう。「Fire Strike“Extreme”」を動作させた状態を高負荷時、何もせず10分間放置した状態をアイドル時に設定。消費電力をワットチェッカーで、GPU温度を「GPU-Z」を使用して計測した。
狭小な筐体を用いるコンパクトPCは冷却に厳しいのが一般的だが、「BRIX Gaming VR」の場合はアイドル時で56℃、高負荷時でも72℃と、うまく発熱をマネジメントできている。負荷が増すにつれてややファンの音は目立ってくるものの、十分許容範囲内だ。
また、省電力なACアダプタモデルとあって、消費電力も最大124Wとおとなしい。ゲーミングマシンの消費電力が気になる、というエコ志向のユーザーも満足できるワットパフォーマンスといえる。
超コンパクトサイズのゲーミングマシンという厳しいチャレンジに挑んだ、四角柱デザインの“ハイパフォーマンス「BRIX」”がさらに進化した。奇抜な見た目とは裏腹に、堅実な性能をもっていた「BRIX Gaming UHD」から、順当にスペックが向上。Kaby LakeのCPUに加えて、グラフィックスがGeForce GTX 1060に変更されたことでVRに対応、4K環境でのプレイにも耐える性能を手に入れた。拡張性とのトレードオフにより冷却効率も改善し、小型モデルにありがちな使いにくさはほとんどない。限りなく小さくパワフルなマシンを手に入れたいという、欲張りなニーズにうまく応える1台だ。
小さくても“それなり”じゃ我慢できない、一端のゲーミングマシンとしての性能が欲しい向きにピッタリな「BRIX Gaming VR」。高めの価格はネックだが、このサイズ感で4KやVRに手が届くのは魅力だ |
もっともそうした“詰め込みすぎ”な仕様から、実売16万円という高めな価格設定がネックなのは事実。それでもアキバでの発売時には早々に完売するなど、コンセプトを熱烈に支持する層は確実に存在する。このサイズ感で一端に4KゲームやVRまでが遊べてしまう、そんな性能を価格度外視で求める向きに「BRIX Gaming VR」はオススメだ。
協力:日本ギガバイト株式会社