エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.594
2017.08.31 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 Tawashi
テストセッションの最後はベンチマーク実行中の消費電力を確認していこう。アイドル時は10分間放置した中で最も低い値、「3DMark」「Unigine Heaven DX11 Benchmark」「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」では、それぞれのベンチマーク実行中で最も高い値を計測している。
TDP140WのCore i7-7800Xを搭載しているためか、アイドル時は64.7Wとやや高めの印象。ただし、グラフィックスカードへの負荷が上がる「3DMark」では215W、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」時では218Wと、TDP120W前後で動作するGeForce GTX 1060の恩恵を受ける形となっている。標準搭載される電源ユニットは出力650WのCORSAIR「RM650x」で、購入後のストレージ系デバイスの追加や、グラフィックスカードのアップグレードにも十分対応できると言えるだろう。
サイコムの最新作「Silent-Master Pro X299」は、TDP140Wの「Core i7-7800X」を搭載するハイパフォーマンスモデルだ。このモデルが属する「Silent-Master Pro」シリーズは、これまでTDP100W以下となるCPUの熱を抑え、静音状態を維持するモデルが中心だった。おそらくSkylake-Xはやや難敵だったはずだ。しかし、Noctua空冷の高い冷却能力と、静音状態を保ちながら、エアフローも確保できるAntc「P100」の構成が功を奏し、看板通りの静音PCが完成した。
サイコムの開発陣は、Skylake-X最上位の10コアモデル「Core i9-7900X」をカスタマイズ項目から外した。その理由を「静音性が保てないから」と正直に話す。そこでTDPの数値は同じであっても、最上位モデルのパフォーマンスを最大限に発揮させた場合を想定。より冷却能力に長けた水冷PC「Aqua-Master X299」が準備されているというワケだ。
自作PCの構成を考える楽しさを、BTOでも疑似体験できる豊富なカスタマイズメニュー。その内容を見れば、自作PCの楽しさを知る、経験豊富な企画担当者の姿が想像できる。サイコムの良さは、自作派が考えるであろう構成を先読みし、カタチにしている点にある。その構成をコッソリ盗み見て、自作の参考にしている人もいるだろう。そんな使い方も、サイコムなら歓迎してくれるはずだ。
協力:株式会社サイコム