エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.595
2017.09.04 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
ハイエンドCPUらしく消費電力の大きいRyzen Threadripper。安定動作させるには電源回路が特に重要だ |
最大16コア/32スレッドという圧倒的なコア数を誇るRyzen Threadripper。TDPもコンシューマ向けでは最高クラスとなる180Wに増え、高負荷時やオーバークロック時の安定動作にはこれまで以上に電源回路が重要になる。「X399 Taichi」では、ハイサイド・ローサイドMOSFETとドライバICを1チップに統合した高効率MOSFET「Dr.MOS」や、通常の3倍の飽和電流を誇る「Premium 60A Power Choke」による11フェーズ回路を採用することで、最大600Wまでの出力に対応。さらにCPUが必要とする電力を正確に供給できるIR製デジタルPWMコントローラを組み合わせることで、安定性を高めている。
抵抗に触れないようデザインされたCPUソケット上側のヒートシンク。その左側にはデジタルPWMコントローラIR「IR35201」が確認できる | 「X399」ロゴがデザインされたメモリスロット脇のヒートシンク。CPUソケット上側のヒートシンクとはヒートパイプで連結 |
基本的に水冷が前提となるRyzen Threadripper。空冷と違いCPUソケット周りのエアフローがあまり期待できないため、ヒートシンクの冷却性能は非常に重要だ |
CPUの補助電源コネクタは通常の8pin加え、4pinを追加。CPUソケット上側をVRM専用の配線にすることで、効率的な電源供給が可能になるという |
電源回路はCPUソケット上部に8フェーズ、メモリスロット脇に3フェーズの計11フェーズ。フェーズあたり1基の「Dr.MOS」と「Premium 60A Power Choke」を搭載 |
基板裏面には電源回路用のタンタルコンデンサを多数実装する |
上部ヒートシンクはMOSFETだけでなくフェライトコアチョークにも熱伝導シートが貼り付けられていた |
チップセットはSocket TR4向けに設計されたAMD X399を採用。Ryzen Threadripperの持つ64レーンのPCI-Express3.0を各スロットに振り分けることで、最高4-Wayのマルチグラフィックス環境を構築可能。またインターフェイスはUSB3.1 Gen.2×2、USB3.1 Gen.1×14、USB2.0×2のUSBポートと、最大12ポートのSATA3.0(6Gpbs)を搭載し、RAIDレベルは0/1/10に対応。もちろん最新NVMe SSDもサポートされるが、RAID環境の構築ができない点には注意が必要だ。
チップセットには、「Taichi」シリーズおなじみの太極図をモチーフにしたヒートシンクを搭載 |
Socket TR4向けチップセットAMD X399。刻印から台湾製であることが確認できる |
「X399 Taichi」のチップセットイルミネーションは、ヒートシンクではなく基板上に実装 |
ヒートシンクは2本のネジで基板に固定。チップセット接触部には熱伝導シートが貼り付けられていた |