エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.595
2017.09.04 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
クアッドチャネルに対応するRyzen Threadripper。メインストリーム向けを遥かに超えるメモリ帯域幅を利用できる |
AMDのコンシューマ向けCPUでは初めてクアッドチャネルに対応するRyzen Threadripperでは、メモリ容量に加えて、広大な帯域幅も魅力のひとつ。そこで実際にどの程度メモリ帯域を確保できているのか「Sandra 2017」を使い確認していこう。なお比較対象には「Fatal1ty X370 Gaming K4」とRyzen 1800XのSocket AM4プラットフォームを用意した。
今回は2,400MHz駆動のメモリを8枚搭載しているが問題なくクアッドチャネルで動作。クロックもメモリの定格通り認識された |
動作クロックは2,400MHzに揃えているにも関わらず、整数メモリ帯域、浮動小数点メモリ帯域ともRyzen 1800Xの約1.9倍。4つのメモリ帯域をまとめるクアッドチャネルの効果がシッカリとスコアにも反映されている。なおRyzen Threadripperでは、メモリ帯域を確保する一般的な「Distributed Mode」に加え、メモリ遅延を抑える「Local Mode」が用意され、「Ryzen Master」でモードを切り替えることができるようになるとしている。しかしテスト時点ではまだ「Ryzen Master」の準備ができておらず「Local Mode」を有効にすることができなかった。
「Ryzen Master」画面。「Additional Control」に「Memory Access Mode」の項目はあるもののグレーアウトされており、操作できなかった |
3台のNVMe SSDを同時に使用できる「X399 Taichi」。残念ながら起動ドライブには割り当てられないが、データドライブならOSのソフトウェアRAID機能が使用できる |
64レーンという膨大なPCI-Express3.0レーンを生かし、「X399 Taichi」では最大3台のNVMe SSDを同時に使用することができる。残念ながらNVMe SSD RAIDを起動ドライブとして設定することはできないが、OS標準のダイナミックディスク機能を使えばデータドライブとして、RAID環境を使用することができる。そこで今回はSamsung「SM951-NVMe」(128GB+256GB)と、Intel「600p」(256GB)のやや変則的な環境で、RAID 0を構築してみることにした。
ダイナミックディスクによるRAIDの構築は「ディスク管理」から実行可能。ウィザードに従うだけなので設定は簡単だ |
3台のNVMe SSDでRAID 0ボリュームを作成したところ。容量の異なるドライブを使用した場合、余った領域は別途ドライブとして設定できるため無駄にならない |
Intel「600p」単体時の「CrystalDiskMark 5.2.2」 | RAID 0の「CrystalDiskMark 5.2.2」 |
OS標準のソフトウェアRAIDながら、RAID 0を構築することで、シーケンシャル読込は約2.3倍、書込は約3倍までスコアが上昇。動画エンコードや巨大な画像編集、レンダリングなど、容量の大きいデータに頻繁にアクセスするアプリケーションでは、処理時間を大幅に短縮できる。