エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.597
2017.09.15 更新
文:テクニカルライター・藤田 忠
HDD/SSDのメインインターフェースとなるSATA3(6Gbps)規格。それを上回る理論値10Gbpsの転送速度を実現するのがUSB 3.1 Gen2だ。向きに関係なく挿せるUSB Type-Cコネクタと共に、USB3.1 Gen2に対応するPCは増加中。AMD、Intelの最新プラットフォーム向けマザーボードも同様で、多くのモデルがリアポートにUSB3.1 Gen2をサポートするUSB Type-AやType-Cコネクタを装備している。そこで注目したいのが、USB3.1 Gen2を手軽に活用でき、10Gbpsの高速性を体感できる外付けストレージデバイスだ。
コストパフォーマンスに優れた外付けHDD/SSDケースを多数取り揃える玄人志向は、USB3.1 Gen2に加え、RAID0/1を構築できる2ベイ仕様の外付けストレージケースを投入。そこで今回は外付けストレージ新時代の幕開けとなり得る「GW2.5ACX2-U3.1AC」(2.5インチベイ×2)と、「GW3.5ACX2-U3.1AC」(3.5インチベイ×2)を、じっくりと検証していきたい。
USB3.1 Gen2とRAID構築をサポートする玄人志向「ACX2」シリーズが本稿の主役 |
Type-A、Type-Cともに、多くのマザーボードで標準搭載されるようになったUSB3.1 Gen2ポート。10Gbpsの高速転送を可能にする外付けデバイスが利用できる |
W37×D130×H90mmのコンパクトボディに、2.5インチHDD/SSDを2台搭載できる「GW2.5ACX2-U3.1AC」と、3.5インチベイ×2仕様で背面に冷却ファンを備えている「GW3.5ACX2-U3.1AC」。いずれも、SATA-USBコントローラーにASMedia「ASM1352R」を採用。HDD/SSDを個別に認識する「SINGLE」のほか、「RAID0」「RAID1」「JBOD」モードを搭載し、外付けストレージケースで重要な、PCの電源と連動する「省電力機能」も装備されている。
製品にはType-AおよびType-C 2種類のケーブルも付属し、PCに合わせてUSBケーブルを追加購入する必要がない。USB3.1 Gen2やRAIDのサポートだけでなく、使い勝手におけるポイントもしっかり押さえている。
外付けストレージケースは組みやすさなども大事なポイント。ここからは、玄人志向「GW2.5ACX2-U3.1AC」と「GW3.5ACX2-U3.1AC」の構造や付属品をじっくりチェックしていこう。
まずは、USB3.1 Gen2やRAID機能、デバイスの放熱を助けるメタルボディを採用しつつ、税抜6,000円前後とコストパフォーマンス優秀な2.5インチHDD/SSDを最大2台搭載できる「GW2.5ACX2-U3.1AC」だ。
2.5インチベイ×2仕様の「GW2.5ACX2-U3.1AC」。ノートPC横に置いても邪魔にならないサイズ |
ファンは非搭載で、背面には電源ON・OFFスイッチを装備する | 背面四隅のネジを外せば、ドライブベイを引き出せる |
ストレージベイは樹脂製。HDD/SSDはベイに差し込み、ネジで固定する | フロントには電源LEDと、2つのアクセスLEDを装備している。なお、LEDはストレージやケースの状態を表すためにも使われる |
ストレージ搭載時に背面ポート部を取り外すことはないが、分解してみた |
SINGLEやRAID0など、ストレージの動作モードを設定するDIPスイッチとリセットスイッチ。若干、指だと操作しづらい位置にある | ACアダプタのほか、PC側がType-AとType-Cになっている2種類のケーブルが付属する |
パッケージには製品特徴だけでなく、ストレージの固定方法や動作モードの設定方法が記載されている |
ストレージの固定は簡単。コネクタの向きを確認しながら、HDD/SSDを奥まで差し込み、側面の2カ所で固定する |
2台目も、コネクタの向きを確認してから取り付けだ |
カバーを戻して、四隅をネジで固定すればHDD/SSDの取り付け行程は終了 |