エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.597
2017.09.15 更新
文:テクニカルライター・藤田 忠
10Gbpsの高速な転送速度を実現する、USB3.1 Gen2接続の外付けストレージ「ACX2」シリーズ。リード・ライトのパフォーマンスが影響する、編集作業中の動画や写真のデータなどの保存先としても使えるだけに、パフォーマンスは非常に気になるところ。さらに、リード・ライト500MB/sec台のSSDを2台使うことで、700~800MB/sec台を実現できる「RAID0」や、2台に同じデータを書き込むことで万が一に備える「RAID1」もサポート。多様なシーンでの使用が想定できる。
そこで、ここからはWestern DigitalのNAS向けHDD「WD Red」シリーズの1TBモデル「WD10EFRX」と、500MB/secオーバーのシーケンシャルリード・ライト性能を持っているCFD製SSDの「CSSD-S6O480NCG1Q」を2台ずつ用意。単体接続から、RAID0、RAID1、2台のHDD/SSDを1台として認識させるJBODまで、一通りパフォーマンスをチェックしていこう。
検証用マザーボードには、USB3.1 Gen2対応ASMedia「ASM2142」を搭載するASRock「Z270 Extreme4」を用意。CPUにIntel Core i7-7700Kを使い、パフォーマンスの計測を行っている。
RAID構築をサポートしてるWestern Digital製NAS向けHDDの「WD10EFRX」。容量は1TBになる | SSDにはシーケンシャルリード560MB/sec、同ライト510MB/secのCFD「CSSD-S6O480NCG1Q」を使用 |
ちなみに「ACX2」シリーズの動作モードは、「デバイスマネージャー」上の認識名で確認できる。「デバイスマネージャー」の「ディスク ドライブ」をクリックすると表示される「ASMT ASM1352R – ××××× SCSI Disk Device」の×××××部分で識別でき、それぞれ「PM」=「SINGLE」、「Fast」=「RAID0」、「Safe」=「RAID1」、「Volume」=「JBOD」動作になる。
「ACX2」シリーズの動作モードは、「デバイスマネージャー」で確認できる |
最新が常に良いとは限らないのがPCのドライバー。事前テストではASRockのサイトで公開されていた「ASMedia USB 3.0/3.1 XHCI Driver ver:1.16.38.1」を使用したが、USB3.1 Gen2ポート接続時のみUASPモードで動作しない。さらに「CrystalDiskMark 5.2.2」の「4K 32Q1T」のみパフォーマンスが落ち込むといった症状が発生。そのため、Windows 10が標準で持っている「ASMedia 3.1 eXtensible Host Controller -1.10(Microsoft)」に戻したところ、発生していた症状は出なくなった。PCの環境によって変わると思われるが、OS標準のUSB3.1ドライバーの使用をお勧めする。
まずは、「GW2.5ACX2-U3.1AC」にSSDの「CSSD-S6O480NCG1Q」。「GW3.5ACX2-U3.1AC」にはSSDに加え、3.5インチHDDの「WD10EFRX」を1台ずつ搭載。すべての動作の基本となる「SINGLE」モードに設定。マザーボードのUSB3.1 Type-Cポートに外付けストレージケースを接続して、「CrystalDiskMark 5.2.2」のテストデータ1GiBを実行。転送速度6GbpsのSATA3接続時と、パフォーマンスを比べてみよう。
内部インターフェースの主流となるSATA3(6Gbps)で接続した際の「CSSD-S6O480NCG1Q」 |
「CSSD-S6O480NCG1Q」を「GW2.5ACX2-U3.1AC」(左)と「GW3.5ACX2-U3.1AC」(右)に搭載した際の結果 |
「WD10EFRX」をSATA3で接続 | 「GW3.5ACX2-U3.1AC」に「WD10EFRX」を搭載して計測すると、SATA3接続時と、ほぼ同じ数値に |
注目はSSDの「CSSD-S6O480NCG1Q」搭載時。最大転送速度10GbpsのUSB3.1 Gen2接続だけあって、「GW2.5ACX2-U3.1AC」「GW3.5ACX2-U3.1AC」ともに、外付けストレージながら500MB/secオーバーを実現。SATA3接続時と比べ、ランダムアクセスは若干ダウンしているが、内蔵時とほぼ同じパフォーマンスを発揮できると言えるだろう。