エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.600
2017.09.23 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
ここでグラフィックスカードを搭載してみよう。用意したのは奥行き298mmの2スロット占有モデル。ハイエンドGPU搭載グラフィックスカードによくあるサイズだ。搭載方法は解説不要。7段重ねの拡張スロット最上段を残し、2段目と3段目にハンドスクリューで固定すればいい。25mm厚のフロントファンと干渉する事無く、搭載ができた。それもそのはず、拡張スロットの有効スペースは公称315mmまで。万一それでも足りない場合は、フロントファンを取り外すことで(やや計算が合わないが)公称335mmまでスペースは延長される。
有効スペース315mmに対し、奥行き298mmのグラフィックスカードをマウント。フロントファンがかなり接近しているが、水平方向からのエアフローは、GPU冷却に多少の効果が期待できるはずだ |
標準装備品「Dynamic X2 GP12」までの距離は実測で約20mm程度。公称値とはそれほど違わず、空きスペースを僅かに残した。当然ながらフロントにラジエターをマウントした場合、このグラフィックスカードでは物理的干渉を起こす。事前に寸法を把握し、見合ったパーツ構成を考えたい |
最後にストレージを搭載させた様子をご覧に入れよう。なにも難しい事は無く、PCを自作した経験のある人なら、マニュアルいらずで作業はできるはずだ。
「Meshify C」のストレージ収納力はお世辞にも豊富とは言えないが、3.5インチHDD×2台+2.5インチSSD×3台、3.5インチHDD×1台+2.5インチSSD×4台、または2.5インチSSDのみ5台など、共用ベイを装備するだけに、組み合わせが自由に選択できる。目的と予算の兼ね合いで、要件に見合った構成を決めよう。
ケージタイプの2.5/3.5インチ共用シャドウベイユニット。ツールフリー機構の採用は見送られ、どちらも専用トレイに底面からネジ留めを行う。なおコネクタは右サイドパネル側に向けての固定になる |
マザーボードトレイ裏、CPUクーラーメンテナンスホールを覆う2.5インチSSD専用プレートに、SSDをマウント。密閉された右サイドパネル側に面するため、”魅せるPC”構築でも裏方に徹する事になる |
念のため、ケージタイプの2.5/3.5インチ共用シャドウベイユニットを取り外し、底面に3.5インチHDDをマウント。ストレージは最低限でいいという構成なら、余った電源ケーブルの逃げ場ができるというメリットも。ここは自作派のアイデアに任せる事にしよう |
6月にリリースされた「Focus G」とは、価格差約3,000円ほど上位にあたる「Meshify C」。普及価格帯のエントリークラスながら、強化ガラス製サイドパネルを採用し、内部構造も中堅クラスに見られるボトムカバーを装着。ミドルレンジの新しい選択肢としてリリースされた。発売間もないだけに、市場からの評価はこれからといった所だが、イマドキのPCケースとしては手堅くまとめられている。
ATX規格ながらコンパクトな設計。凝ったカスタマイズには不向きだが、最低限の拡張性は確保されている。さらに工作精度については、このクラスでありがちな雑な点は見当たらない。いい意味で普通に組み込むには十分なミドルタワーPCケースだ。
そして、このモデルを選択する理由は、特徴的な角形メッシュフロントパネルにある。個性をウリにするFractal DesignらしいミドルタワーPCケースが完成した。
協力:Fractal Design
株式会社アスク