エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.600
2017.09.23 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
外観周りの後は、内部構造をくまなくチェックしていく。「Meshify C」はリアパネル以外の面は、何かしら取り外せるように設計されている。左右のサイドパネル、トップのマグネット固定防塵フィルター、底面のスライド着脱式フィルター、フロントメッシュフィルター。これらを順に外しながら、冷却ファンレイアウト、ドライブベイレイアウト、電源ユニット搭載スペースなど順を追って解説しよう。
前面通気孔仕様の「Meshify C」は、高冷却志向も特徴のひとつ。内部構造チェックの手始めに、冷却ファンレイアウトをチェックしよう。出荷時、フロントとリアに各1基の120mm口径ファンが装備され、最低限の内部エアフローは確保できている。あとは熱源となる構成パーツとの兼ね合いを考慮しつつ、必要に応じて増設すればいい。
「Meshify C」のエアフローレイアウト。標準搭載ファン2基と増設スペース5基分、合計7基が「Meshify C」の最大搭載可能数となる |
特徴的な角形メッシュフロントパネルの裏面には、120mm口径ファン3基、または140mm口径ファン2基が搭載できる。前面そのほとんどが通気孔仕様だけに、フレッシュな外気を内部へ一気に取り込む事もできるワケだ。なお出荷時、中央部には120mm口径ファン「Dynamic X2 GP12」(DC12V/0/18A/1.32W)1基が標準で装備されている。なおこのスペースには、360/280/240/140/120mmサイズのラジエターが搭載できる。
グラフィックスカードの延長線上に位置する、「Dynamic X2 GP12」標準搭載ファン。なおネジ穴はスリットタイプで、マウントポジションの微調整ができる |
フロントパネルを取り外し、シャーシ側のフロント面をチェック。120mm口径ファンなら最大3基、140mm口径ファンなら最大2基が搭載可能。ネジ固定用のスリットは2本平行して刻まれている事が分かる |
標準装備されるマグネット固定式防塵フィルタを外せば、シャーシ側にはハニカム状の通気孔があらわになる。この面には冷却ファンのネジ固定用スリットがあり、140/120mm口径ファン2基が増設可能。さらに240/120mmサイズのラジエターも固定できる。
防塵フィルタを外すと、冷却ファン固定用のスリットが確認できる。ただし低発熱のパーツで構成されたシステムであれば、冷却ファン無しの自然排気でも十分に賄えるだろう |
ネジ固定用スリットがマザーボードから遠い位置にあるのは、ラジエター搭載時に物理的干渉を回避する目的から。なおマザーボード上のコンポーネントの高さは、上限40mmまでとされている |
フロント同様、出荷時より冷却ファンが搭載されるリア部。ここにもFractal Designブランドの「Dynamic X2 GP12」が選択されている。マニュアルの記載によると、回転数は1,200rpm、騒音値19.4dBA、風量52.3CFM、静圧0.88mmH2O。7枚羽の120mm口径25mm厚のリブ無しフレームモデルだ。主な”任務”はPCケース内部、特にCPUソケット周りの熱を強制的に外部へ排出し続けるというもの。スタイルや設計が変わっても、リアファンだけは標準搭載というPCケースは多く、その効果を疑う声はほとんど聞こえてこない。ミドルタワーPCケースにとって、無くてはならない存在と言えるだろう。
なお最もベーシックな簡易水冷となる、120mmサイズラジエターモデル(ラジエター幅最大125mmまで)の搭載も可能だ。
フロント同様に標準装備される「Dynamic X2 GP12」はカタログモデル。固定はスリットタイプで、上下30mmのストロークで搭載位置が微調整できる。なお冷却ファンの軸受けは長寿命MTBF10万時間を誇る「LLS」を採用 |
あくまでエマージェンシー用となるのが、ボトム部の120mm口径ファン搭載スペースだ。通気孔仕様のボトム部は後部が電源ユニット搭載スペースとして使用。前部はケージタイプのシャドウベイユニットが装着されている。このユニットを外す事で、120mm口径ファン1基が増設できるというワケだ。
なお、冷却ファンを増設する場合、電源ユニットを覆うボトムカバーの一部を外す必要がある。前寄りの天井部分は、フロントパネル側2本のネジにより固定。ここはボトム部の冷却ファン搭載エリアの真上に当たり、底面から吸気した外気を上部へ流すエアフローが構築できる。
ボトムカバーの天井の一部は取り外しが可能。貴重な2.5/3.5インチシャドウベイユニットとはトレードオフの関係にあるが、どうしても必要な場合は冷却ファンが増設できる事を覚えておこう |