エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.601
2017.09.28 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
ENERMAX「LIQTECH TR4 360」(型番:ELC-LTTR360-TBP) 市場想定売価税抜17,480円(9月9日発売) 製品情報(ENERMAX/株式会社リンクスインターナショナル) |
圧倒的なマルチスレッド性能や64レーンにおよぶPCI-Express3.0のトレードオフとして、コンシューマ向けでは最高クラス、180Wもの電力を消費するRyzen Threadripper。そのためAMDでは冷却に水冷ユニットを推奨。リテールパッケージに、現行のオールインワン型水冷ユニット用ブラケットを同梱することで対応している。しかし既存モデルではRyzen Threadripperの巨大なヒートスプレッダ全面をカバーできる製品はほとんどなく、熱移動にどうしてもロスが発生してしまう。
CPUサイズが大型化されたRyzen Threadripper。既存のオールインワン型水冷ユニットでは、ヒートスプレッダ全面をカバーすることはできない |
この問題を解消したのが今回の主役「LIQTECH TR4」シリーズだ。ウォーターブロックを再設計し、ヒートスプレッダ全面をカバーする大型の銅製受熱ベースを搭載。さらにクーラント液に熱を移動する冷却フィンに、特許技術「Shunt Channel Technology」(SCT)を採用することで、フィンの間に発生する境界層を解消。循環効率と熱伝導性能を最大限に高め、公称TDP500W以上という優れた冷却性能を発揮できるワケだ。
「LIQTECH TR4」シリーズでは、Ryzen Thradripperのヒートスプレッダ全面をカバーする大型の銅製受熱ベースを採用。受熱効率を高め、オーバークロックにも耐えられる冷却性能を実現した |
銅製受熱ベース一体型の冷却フィンには、境界層を解消するため「SCT」を採用する |
製品ラインナップは、今回チェックする360mmラジエターモデル「LIQTECH TR4 360」と、240mmラジエターモデル「LIQTECH TR4 240」の2モデル展開。ラジエターサイズ以外のスペックは共通で、冷却ファンは静圧性能を重視した口径120mmの「T.B.Pressureファン」が付属。チューブは劣化しにくい高品質な「ポリアミドチューブ」で、ポンプユニットには最大450L/hの高流量タイプを搭載する。
ENERMAX「LIQTECH TR4 240」(型番:ELC-LTTR240-TBP) 市場想定売価税込16,720円(2017年9月9日発売) 製品情報(株式会社クーラージャイアント/株式会社リンクスインターナショナル) |
グレーをベースにしたシックなデザインのパッケージ。360mmラジエターを採用するだけに、サイズは実測約465×235×165mmとかなり大柄 |