エルミタ的「編集部で使ってみた」
2017.10.09 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
ここからは早速NVMe RAIDの構築方法を紹介していこう。まずはOS起動用のドライブを別途用意し、データドライブとして導入する場合の手順を解説していく。なお今回はマスタードシード株式会社(本社:東京都品川区)協力のもと、先日詳細検証をお届けしたASRock「X399 Taichi」と、Ryzen Threadripper X1950のシステムを用意。SSDには、Samsung「SM951-NVMe」(128GB+256GB)と、Intel「600p」(256GB)のやや変則的な環境でRAID 0を構築してみることにした。テスト環境の詳細については以下の「テスト機材構成表」を参照頂きたい。
データドライブとしてNVMe RAIDを導入する場合、RAIDの構築自体はWindows上のユーティリティ「RAIDXpert2」で行えるが、UEFI(BIOS)の前準備が必要になる。使用するマザーボードのメーカーによって項目の名称は若干異なる可能性はあるが、基本的な流れは同じ。読み替えてもらえば問題なく作業を進めることができるだろう。
まずはマザーボードのUEFIをNVMe RAID対応のものにアップデートする。なお今回使用した「X399 Taichi」ではP1.70で対応が謳われている |
アップデート作業が完了したら「UEFI Version」で、正しく更新されているか必ず確認しておこう。今回はP1.30(画像左)からP1.70(画像右)に変更されている |
「Advanced」タブ→「Storage Configuration」で、「SATA Mode」を「AHCI Mode」から「RAID Mode」に変更 | 「Advanced」タブ→「AMD PBS」で、「NVMe RAID mode」を「Enable」に設定 |
「Boot」タブ→「CSM(Compatibility Support Module)」を「Disable」に設定。ここまで作業が終了したら一度再起動して、再度UEFIに入る | 「Advanced」タブに「RAIDXpert2 Configuration Utility」が表示されるので選択 |
「Physical Disk Management」→「Initialize Disk」で、RAIDを構築するSSDを初期化し「Ready」状態にすればUEFIの作業は完了。なおここまでの手順はOSをインストールする場合(後述)にも必要になる |
OSが起動したら、AMDのサイトからドライバーと専用ユーティリティ「RAIDXpert2」を入手し、インストールする |
「RAIDXpert2」を起動して、「Array」メニューの「Create」から、使用するドライブを選択してRAIDを構築すれば作業は完了だ |
Intel「600p」単体時の「CrystalDiskMark 5.2.2」 | 2台のSSDによるRAID 0時の「CrystalDiskMark 5.2.2」 |
3台のSSDによるRAID 0時の「CrystalDiskMark 5.2.2」 |
シングル時の転送速度と比較すると、2台によるRAID 0では読込が約1.9倍、書込が2倍に。3台では読込が約2.8倍、書込が3倍へと、AMDの謳い文句通りほぼリニアにスコアが上昇。今回の検証ではNVMe SSDとしてはやや低速なIntel「600p」が足を引っ張り、Samusung「SM951-NVMe」の性能を最大限に引き出せていないが、すべて高速なSSDで統一してやればさらにパフォーマンスは上がるはずだ。