エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.605
2017.10.13 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
外観チェックに続き、「VIEW 71 TG」の内部構造に迫っていく。Thermaltakeブランドの中堅以上のクラスといえば、ミドルタワーPCケースの多くに「Modular Design(モジュラーデザイン)」が採用されている。これはPCケースを司る各パーツの組み付けにリベットを使わず、ファスナーやネジを多用。容易に取り外しができるため、大型パーツに干渉する場合は取り外したり、場所を移動するといった使い方ができる。完全レイアウトフリーとまではいかないが、カスタマイズの自由度は高い。
内部構造セッションの初めは、冷却ファンレイアウトを解説しよう。まず確認しておきたいのが、「VIEW 71 TG」はリアとボトム以外に強化ガラスが装着されていること。ドレスアップ要素としてはポイントが高いものの、通気性については誰もが懸念するところだろう。ここでは冷却ファン搭載スペースを個別に見ていくことで、PCケースとしての冷却能力を把握しておこう。
「VIEW 71 TG」のエアフローレイアウト。搭載スペースは複数におよぶものの、通気性がゼロの強化ガラスにより冷却能力に若干の不安がある |
強化ガラスが装着されたフロントパネル、その裏手のシャーシ面には140mm口径ファン2基または120mm口径ファン3基が搭載可能。出荷時は最下部には「Riing 14 LED Blue」1基が装着されている。
単品発売もされている「Riing 14 LED Blue」は、特許取得のLEDリングが装着され、独自形状ブレード「Concentrated Compression Blade」と、空気の圧縮効果があるという「Wind Blocker Frame」で構成。スペックは回転数1,400rpm、騒音値28.1dBA、最大風量51.15CFM、静圧1.58mm-H2Oで、減速ケーブル「Low-Noise Cable」(LNC)を接続すれば、1,000rpm(22.1dBA)まで回転を落とす事ができる。
ラジエーターは420mmまたは360mmサイズが搭載可能。設置面は防塵フィルタで覆われている |
5mm厚の強化ガラスを外した状態のシャーシ側フロント面。なお強化ガラスとフロント面の隙間は実測で約13mmで、ここから外気を取り込む事になる |
5mm厚強化ガラスは、シャーシとの間にファスナー留めされたABS樹脂製の台座に固定。着脱可能な防塵フィルタも装着済み | シャーシ側フロントパネルには、120/140mm口径ファン用に2列が並ぶスリットタイプのネジ穴が確認できる |
5mm厚強化ガラスが装着されたトップ面にも、冷却ファンが増設できる。搭載できるのは140mmまたは120mm口径ファン3基で、420mmまたは360mmサイズラジエターの設置にも対応。設置面には防塵フィルタも標準で装備されている。
強化ガラスとトップ面までの距離は実測で約15mm。フロント側に比べ、吸排気スペースは若干広い |
強化ガラスが固定される防塵フィルタ付き台座は、ABS樹脂製でファスナー留め。シャーシ面にはスリットタイプのネジ穴が片側3本刻まれている事が確認できる |
リア排気方向には、140mm口径ファンが1基標準で装備される。搭載されるのはフロントファン同様の「Riing 14 LED Blue」。CPUソケット周辺の熱籠もりを解消すべく、常時外部排出を行う重要な役割を果たしてくれる。
標準装備ファンは140mm口径だが、120mm口径用のネジ穴も用意。よって140mmまたは120mmサイズラジエターの設置にも対応する |
ボトム部にも120mm口径ファン2基が搭載できる。設置面は通気孔仕様で、スライド着脱式防塵フィルタで覆われている。想定用途としては、フレッシュな外気を強制的に取り込む、または内部の熱を排出。さらに240mmサイズラジエーターのマウントにも対応。設置面は電源ユニット搭載スペースと分け合うため、増設時は少し窮屈になる事を覚えておきたい。
ボトム部の冷却ファン搭載面と、設置面までの距離は実測で約40mm弱。吸・排気には十分なスペースが確保できている |