エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.607
2017.10.28 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
計3基の「Ultra M.2」スロットを搭載する「Z370 Taichi」。当然ながらNVMe SSDによるRAID環境の構築を検討している人もいることだろう。そこで今回は128GBと256GBというややイレギュラーな構成ながら、2枚のSamsung「SM951-NVMe」を使いRAID 0の構築を試してみることにした。なおNVMe SSDによるRAIDの構築方法はこちらのレビューに詳しいので合わせて参照いただきたい。
2枚のNVMe SSDを使いRAID 0環境を構築 |
「Intel Rapid Storage Technology」で確認したところ。2枚のNVMe SSDでRAID 0が構築されているのが確認できる |
Samsung「SM951-NVMe」シングル時の「CrystalDiskMark 5.2.2」 | RAID 0構築時の「CrystalDiskMark 5.2.2」 |
容量の異なるドライブを使用しているため、256GBモデルのうち128GB分は無駄になるがRAID構築作業は問題なく完了した。転送速度も書込は4Kランダム以外はいずれも約2倍へと大幅にスコアが向上。一方、読込はシーケンシャルアクセスがいずれも3,300MB/secで頭打ち。これはLGA1151プラットフォーム(Skylake/Kaby Lakeも同様)では、M.2スロットがいずれもチップセットに接続されており、CPUとチップセットを接続するDMI3.0の帯域幅がボトルネックとなるためだ。
そこで、続いてCPU接続のPCI-Express3.0(x16形状)スロットにNVMe SSDを搭載し、RAID環境を構築した際のパフォーマンスについても簡単にチェックしてみることにした。今回は変換カードに「kryoM.2」を使い、OS標準のソフトウェアRAID機能を利用した。
「kryoM.2」を使い、CPU直結のPCI-Express3.0(x16形状)スロットにNVMe SSDを搭載 |
RAIDの構築にはOS標準のソフトウェアRAID機能を使用 |
ソフトウェアRAID 0構築時の「CrystalDiskMark 5.2.2」 |
DMI3.0のボトルネックが解消され、シーケンシャル読込は最高4,150MB/secを計測。CPUのPCI-Express3.0レーンに接続するため、グラフィックスカードが利用できなくなる他、「Intel Rapid Storage Technology」では認識しないため、起動ドライブとして使えないデメリットはあるが、このパフォーマンスは非常に魅力的。もしデータドライブとして超高速なストレージを使いたいなら、試してみるといいだろう。