エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.612
2017.11.11 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
静音を意識した備えとして最も象徴的なのが、両サイドパネルの存在だ。内部からの動作音を閉じ込める二層構造の遮音パネルは、Antecが得意とする手法。手にすると明らかな重厚感と、コツコツと指で叩くだけで、共振が抑えられた効果がハッキリと分かる。二層によりパネル自体の剛性も高められ、従来モデルによる採用例も多い。改良を重ねてきた遮音サイドパネルは、すでに熟成された感がある。
左右のサイドパネルは、二層構造の遮音パネルを採用。シャーシにはAntecロゴマーク付きのハンドスクリューにより、側面4箇所でネジ留めされている |
次は本体裏手に回り、リアパネルをチェックする。まず上段右には通気孔が設けられ、標準装備品となる120mm口径ファンが搭載されている。その右手はマザーボードのバックパネル用にカット。中段は全8段が横置きに重なる拡張スロットで、その右手にも縦置きで2段分の拡張スロットが確認できる。そして最下段のカットは、ATX規格の電源ユニットマウントスペースだ。ざっと眺めた限りで、モデル特有の仕掛けは見当たらない。レイアウトからも、内部設計は現在主流のオーソドックスなスタイルである事が分かる。
リアは見慣れたATXミドルタワーPCケースのそれだが、よく見ると両サイドパネルが側面からのネジ留め式を採用するため、リア面に固定用ネジ穴が無い |
ボディ外観チェックの最後に、ボトムパネル部を観察してみよう。PC全体の重量を支える四隅の台座はABS樹脂製で、設置面には滑り止めのラバーを装着。底面には約3分の2ほどの面積をカバーする大判の防塵フィルターが装備されている。
大判防塵フィルターはスライド着脱式。メンテナンス時は左サイドパネル側から引き出す事ができる。なおフィルターサイズは実測で約380×150mmだった |
PCの全重量を4つの面で支える台座部。ラバー面積は約35×28mmで、設置面からシャーシ底面まで約25mmの空間が確保されている |