エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.619
2017.12.07 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 Tawashi
続いて水冷システムの冷却性能を知るべく、まずはCPUの温度から確認していこう。検証には「CINEBENCH R15」マルチコア計測中の様子をハードウェアモニター「HWmonitor」で計測した。CPUは、Coffee Lakeの最上位モデルでTDP95WのCore i7-8700K。6コアの最新CPUをシッカリと冷却できるだろうか。
CPU温度をみると、アイドル時(起動後30分間放置)で34℃、ベンチマーク実行中でも54℃で安定し、結果は極めて優秀。水冷クーラーならではの冷却能力を遺憾なく発揮してくれた。これなら、夏場や負荷の高いアプリケーション動作時、複数作業を同時に行うマルチタスク処理でも、安心して使う事ができるだろう。
「G-Master Hydro Z370」最大のセールスポイントが、CPUと並んで水冷化が施されているGeForce GTX 1070 Ti搭載グラフィックスカード。サイコム独自のカスタム水冷カードの温度もチェックしておこう。「3DMark」と「Unigine Heaven DX11 Benchmark」ベンチマークと「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」実行時の最高温度を合わせて計測した。
アイドル時の温度は46℃。「3DMark」実行時で最大52℃、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」計測時で最大50℃という結果だった。アイドル時と比較しても最大6℃しか上昇していない。水冷化による優れた冷却機構は高パフォーマンスを十分に引き出すことに成功しており、ベンチマーク実行中には「GPU Boost 3.0」により、GPUクロックはリファレンスの1,607MHzから1,911MHzまで大幅に上昇した。
デュアル水冷による恩恵は冷却だけではない。静音性能も大きなセールポイントだ。そこで実使用を想定し、本体より30cm離れた場所にデジタル騒音計を設置。「3DMark」と「Unigine Heaven DX11 Benchmark」ベンチマーク、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」実行時のノイズ計測を行った。
室内騒音31.5dBAに対して、アイドル時は32.1dBA。各ベンチマークテストでもアイドル時から約1dBAしか上昇しない。実際、テスト中に耳をすませてみたものの、アイドル時からの動作音の変化はまったく判別できないレベルだった。ゲームはもちろん、通常利用のシーンでも動作音が気になることはまずない。