エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.619
2017.12.07 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 Tawashi
テストセッションの最後はベンチマーク実行中の消費電力を確認していこう。アイドル時は10分間放置した中で最も低い値、「3DMark」「Unigine Heaven DX11 Benchmark」「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」は、それぞれのベンチマーク実行中で最も高い値を記載した。
アイドル時は61.5Wと非常に低い。そして、グラフィックスカードへの負荷が上がる「3DMark」では222W、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」時では235Wとそれなりに上昇しているが、いずれも気になるレベルではない。「G-Master Hydro Z370」では電源ユニットにSilverStone「SST-ST75F-GS V2」(80PLUS GOLD/750W)が採用されているが、購入後のストレージ系デバイス追加はもちろん、マルチグラフィックスカード環境へのアップグレードにも十分対応してくれるはずだ。
今年も複数のサイコムPCに触れ、検証を行った。いずれもこだわりを感じさせる秀作ばかり。数あるBTOメーカーの中にあって、なぜサイコムが選ばれるのか。その理由をもう一度考えてみたい。
BTOは「Build To Order」の略であり、製品サイト上で各構成パーツがカスタマイズできる。プルダウンメニューにある換装可能なパーツにチェックを付けると、たちまち自動計算。あれこれいじるうちに推奨構成とはまるでかけ離れた高額なPCが完成。買う買わないを問わず、そんな操作を試した覚えは誰しもあるだろう。
「G-Master Hydro Z370」もまた、20万円台の機種のはずが50万円台を軽く超えた。倍以上の価格になり、もはや原形を留めないと思いきや、「G-Master Hydro Z370」は「G-Master Hydro Z370」のママなのだ。
グラフィックスカードのベースはNVIDIA GeForce GTX 1070だが、8,000円ほどの追加(執筆現在)で最新のGeForce GTX 1070 Tiに変更ができる。検証機材がすでに換装されていたように、恐らく多くの人がオーダーするであろう、”鉄板のトッピング”と言える。さらに約15万円の追加で、NVIDIA TITAN Xp 12GBも選択できる。そんなチョイスさえ、サイコムオリジナルの水冷静音仕様に変わりが無く、「G-Master Hydro Z370」のベースは崩れてはない。
明確なコンセプトからフォーカスが外れない、個性の強さこそサイコムPCの魅力だろう。象徴的なモデルとして、「G-Master Hydro Z370」が加わった。来年もサイコムPCへの注目は続く。
協力:株式会社サイコム