エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.621
2017.12.16 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
テストセッションのラストは、Core i7-8700Kの手動オーバークロックに挑戦していこう。今回はまず倍率とコア電圧を調整してCPUのおおよその限界を確認。その後BCLKを0.1MHzずつ引き上げる形でチューニングを実施した。
「Z370 Extreme4」では、チップセットの機能によりCPU倍率の他、100MHz~500MHz(0.1MHz刻み)のBCLK調整も可能 |
今回は5.125GHzまではOSの起動、ベンチマークとも問題なく動作させることができた |
今回のCPUでは、倍率51倍、コア電圧1.300V、BCLK100.50MHzの5.125GHzまでなら、OSの起動、ベンチマークとも問題なく動作させることができた。これに伴い「CINEBENCH R15」のスコアはシングルコアが約10%、マルチコアでは約15%向上しており、マルチスレッドアプリケーションでは特に力を発揮してくれる。
また消費電力を確認すると、電圧が1.300Vで固定されるためアイドル時でも17.7W、高負荷時には60.8Wと大幅に増加した。コア数が多く、クロックも高めに設定されているCoffee Lakeでオーバークロックをするなら、「Z370 Extreme4」のような堅牢な電源回路を持つマザーボードは必須条件だ。
多くのユーザーが手に取る2万円台のミドルレンジ帯に投入された「Z370 Extreme4」。メーカー各社がハイエンド同様注力するセグメントだけに、強力なライバルが多数存在する。そんな中にあって、ピーキーなチューニングを支える、クラス最高峰の12フェーズのデジタル電源回路や、上位モデルと同等の高品質設計は頭一つ抜けた存在だ。
ミドルレンジらしからぬ充実した機能を備える「Z370 Extreme4」。ASRockの製品コンセプトである「同クラス最高のコストパフォーマンス」を体現した1枚だ |
またRAID対応の「Ultra M.2」や、現行最速チップによるUSB3.1 Gen.2ポート、S/N比120dBの高品位オーディオ回路など、オンボード機能も充実。さらに3-Wayのマルチグラフィックス対応や、NVMe RAIDにも対応するPCI-Expressスロット、ワイヤレスカード用のM.2スロットなど、ユーザーによるアップグレードの余地が十分に残されている点も嬉しい。
ミドルレンジながらハイエンドの機能を味わえる「Z370 Extreme4」は、まさにASRockが製品コンセプトに掲げる「同クラス最高のコストパフォーマンス」を体現した1枚だ。
協力:ASRock Incorporation