エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.622
2017.12.19 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
GIGABYTE「GV-N107TGAMING-8GD」 実勢売価税込62,000円前後 製品情報(日本ギガバイト株式会社) |
本題に入る前に、まずは「GV-N107TGAMING-8GD」が搭載するNVIDIAのハイエンドGPU「GeForce GTX 1070 Ti」について、軽くおさらいしておこう。
Pascalアーキテクチャを採用する新GPUで、昨年6月に登場したGeForce GTX 1070の上位モデルとして追加された。GPUコアはGeForce GTX 1070と、さらなる上位モデルGeForce GTX 1080と同じ「GP104」を搭載。最大の特徴は演算ユニット数の変更で、GeForce GTX 1070の15基から19基に増加している。これに伴い、シェーダプロセッサのCUDAコア数は、1,920基から2,432基へと大幅に増強された。
これは演算ユニット20基でCUDAコア2,560基を内蔵する、上位モデルのGeForce GTX 1080に迫る性能。前世代のGeForce GTX 970に比べれば、実に最大2倍の性能を実現しているという。
GTX 1070超えを果たした「Radeon RX Vega 56」への対抗もあり、年末商戦に向けてNVIDIAが投入した新ハイエンドGPUが「GeForce GTX 1070 Ti」だ。上位GPUのGTX 1080に近似したスペック構成を特徴とする |
動作クロックは、ベースクロック1,607MHz、ブーストクロック1,683MHz、メモリクロックが8,008MHz。メモリバス幅は256bitで、GDDR5 8GBのビデオメモリを実装している。消費電力は180Wで補助電源は8pin×1と、このあたりの仕様もGeForce GTX 1080同等となっている。
なお、GeForce GTX 1070 Tiは、珍しいことにどのメーカーも出荷時のファクトリーチューンを施したグラフィックスカードを発売していない。これはGeForce GTX 1080に極めて近いスペック構成から、設定次第でその性能を超えてしまいかねないという、特有の事情に基づくもの。いずれも独自ユーティリティを用いた、ユーザーレベルのオーバークロックで性能向上が可能となっている。
GIGABYTEが先月に販売を開始した、GeForce GTX 1070 Tiグラフィックスカードの「GV-N107TGAMING-8GD」。独自の3連ファンクーラーによるハイレベルな冷却性能が魅力だ |
そして今回の主役が、GeForce GTX 1070 Tiを搭載するハイエンドグラフィックスカード「GV-N107TGAMING-8GD」だ。動作クロックなど基本スペックはリファレンス準拠だが、最大の特徴として、冷却機構にオリジナルの3連ファンクーラー「WINDFORCE 3X」が採用されている。
「WINDFORCE 3X」は、風量が23%増したオリジナルブレードファンを3基搭載しつつ、冷却性能を29%向上させた「コンポジットヒートパイプ」をGPUコアにダイレクトタッチさせる設計。280mm長のカードを覆うヒートシンク全体に素早く熱を伝え、2スロット厚の空冷クーラーではトップクラスの冷却効率を実現している。
また、冷却ファンは低負荷時に回転を停止するセミファンレス駆動に対応。1,680万色のカスタマイズが可能で、マザーボードなど周辺パーツとライティングを同期できるイルミネーション機能「RGB FUSION」もサポートしている。
ギガバイトのゲーミングシリーズでお馴染みな、瞳をモチーフにしたパッケージ。自慢の「WINDFORCE 3X」クーラーや、RGB機能の解説が記載されている。外形寸法はW398×D85×H230mm |
そのほか、TITAN Xと同じ最高品質のチョークコイルとコンデンサを採用するなど、搭載コンポーネントにもこだわった仕様。長時間の高負荷動作が続くゲーミングユースにおいても、息の長い活躍が見込める。
出力インターフェイスは、DisplayPort1.4×3、HDMI2.0b×1、Dual-link DVI-D×1を搭載。最大で8K(60fps)の大画面出力に対応している。補助電源コネクタは、リファレンス準拠の8pin×1仕様だ。