エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.623
2017.12.21 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
「H700i」を特徴付けているのは、PCケースとしてのデザインや内部設計に留まらない。NZXTが独自の路線を行くその象徴、リアルタイムモニタリングソフト「CAM」を知る自作派は多いだろう。
「H700i」標準搭載ファンと簡易水冷「Kraken X62」でシステムを構築した、NZXTによる検証データ。このようにPCの状態をつぶさに確認できるのは「CAM」最大の強み。ちなみに左がアイドル時(Idle)右が動作時(Load) |
NZXTユーザー向けにダウンロードサービスで提供される「CAM」は、CPUやGPU、マザーボード、メモリ、さらに対応機器のLED制御や簡易水冷のポンプ/ファン制御が可能。GUIも日本語に対応し、各モニタは数字やグラフで表示される。完成度の高さと使い勝手の良さで評価され、もはやこれを導入しない手はない。
進化を続ける「CAM」は、「H700i」でも利用が可能。加えて新たに導入された「スマートデバイス」は、「Adaptive Noise Reduction」アルゴリズムにより、「機械学習」を行う。一見難解だが、システムの詳細を測定し、NZXTのサーバーにデータを蓄積。ノイズ計測機能で動作音もデータ化され、新開発の「自動ノイズ低減機能」により、冷却ファンのスピードを制御する事で騒音値を最大40%低減できる。これを実現するのは世界中から集まる膨大なデータであり、その精度は常に高められていく。
マザーボードトレイ上部に設置された「スマートデバイス」。約70×60mm四方のBOXには、冷却ファン用4pinコネクタ×3口分と、LED、USB、電源供給用SATA電源ケーブルが接続されている |
システム全体の制御を行うべく、その中枢とも言えるのが標準で搭載される「スマートデバイス」だ。RGBコントローラー「HUE+」と、複数の冷却ファンを制御するHUB「GRID」を別途用意する必要がなく、「CAM」を導入するだけでインテリジェントに制御が可能。NZXTの対応モデルを組み合わせれば、これまでの自作PCとはひと味違う、ワンランク上のシステムが完成する。
冷却ファン用4pinコネクタはケーブル1本当たり3基分に対応。合計9基の冷却ファンを一括で制御。 |
細部にわたり内外装チェックを終えたところで、「H700i」の付属品を総点検しておこう。組み込みに必要なネジ類は、自作PCにおいて一般的に使われるものばかり。よって万一紛失しても、手持ちのネジで代替えがきく。そのシンプルな点こそ、ユーザーの側に立った”良品の条件”のひとつと言えるかもしれない。さらにNZXTは親切で、各ネジ類は小分けでジッパー袋に収められ、それぞれ名称がプリントされている。「今必要なネジ」が一発で見つかるというワケだ。
一方でマニュアルはやや使い勝手が悪い。図説中心に日本語を含む11言語で表記されているマニュアルは、パタパタとコンパクトに折り畳まれ、大きく1枚に拡げて必要箇所を見るスタイル。図説自体がやや小さく、文字も見づらい。NZXTのサイトではマニュアルがPDF形式で公開されている(17.8MB)。こちらをダウンロードして使い分けるといいだろう。
なお、付属品各々の表記はマニュアル記載の名称であり、カッコ内は同梱数を表す。また内容量や同梱される種類は予告なく変更される事がある。あくまで今回の評価サンプルの同梱品とご理解頂きたい。
(D)Hexagon screw 6-32x6mm(x4) | (E)Screw 6-32x5mm(x25) |
(F)Screw M3x5mm(x32) | (G)Screw KB5x10mm(x4) |
(H)Standoff 6-32×6.5mm+4mm(x9) | (J)Standoff wrench(x1) |
(K)Cable tie(x10) | マニュアル |