エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.626
2018.01.09 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
PCケースのサイドパネルには、いろいろなタイプの固定および開閉方式がある。自動車のボンネットにも似て、メーカーやモデルによってさまざまだ。「MasterCase H500P」はフロントパネルとトップカバーに独自の着脱方式を採用。サイドパネルの開閉アクションにもちょっとした仕掛けが施されていた。
強化ガラス採用の左サイドパネル。やや色が付けられ、LEDの輝度を和らげる効果もある。固定にはマイナスドライバー(またはコイン)により90°傾けることでロックと解除ができる脱着錠を採用 |
左サイドパネルは4mm厚の強化ガラス製。鉄の板よりも厚みがあるため重くなり、シャーシにはしっかりと固定する必要がある。通常側面から四隅をハンドスクリューで固定するパターンだが、「MasterCase H500P」は上辺中央1本によるネジ固定とした。これを実現させているのが、ロック解除の状態でも斜めの状態を保持する、下辺の”仕掛け”だ。
両サイドパネル共に、下辺にはシャーシの溝に掛かるよう加工が施され、斜め姿勢を保つ事が可能。その状態からパネルを持ち上げれば簡単に取り外しができる。メンテナンス性に優れ、扱い易い開閉機構は上手くできている。
右サイドパネルは密閉タイプ。下部にはシャーシの溝に掛かる細工が施されている。なお固定には脱落しないハンドスクリュー2本を使用 |
次に本体背面をチェックする。まず最上部右手には通気孔と共に、標準装備される140mm口径ファンが確認できる。固定には定番になりつつある、スリットタイプのネジ穴が採用されている。その左手はマザーボードのバックパネル用にカット。中段に当たる下部には拡張スロットが7段積み重なり、その右手には縦に2段の拡張スロットが確認できる。これはグラフィックスカードの垂直マウント用で、後ほど解説しよう。さらに下段の開口部は電源ユニット用のマウントスペースに該当する。
見ただけでモデル名を言い当てられるほどの特徴はないが、背面ファンのネジ穴がスリットタイプという点は、発売時期の見当がつく手掛かりになっている |
構成パーツを組み込むとかなりの重量になる。カラのうちにボディをひっくり返し、ボトムパネルをくまなく観察してみよう。
本体の全重量を支える四隅の設置面には、クッションと滑り止めの効果が期待できるラバー(幅約13mm/奥行き約100mm/厚さ約2mm)を装着。台座はプラスチック製で、シャーシにネジ留めされていた。前寄りの台座は、フロントパネル両側面のデザインの延長として成形。ブラインドとなる部分まで手を抜かない。さらに電源ユニットマウントエリアに該当する部分には、スライド着脱式防塵フィルタが標準装備される。
フロントパネルの段差箇所にはメタル製カバーを装備。一般的には単なる穴になる部分を、通気孔仕様で丁寧に塞がれていた | 後方スライド着脱式防塵フィルタ。サイズは実測で幅約145mm、奥行き約210mm。電源ユニットの吸気ファン部をサポートする |