エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.635
2018.02.12 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
ここからは「Sandra 2017」による検証を進めていこう。まずはCPU関連のテストとして、「プロセッサの性能」と「マルチメディア処理」の結果から確認していこう。
「プロセッサの性能」「マルチメディア処理」とも、スコアの傾向は「HWBOT x265 Benchmark」と同様。特に「マルチメディア処理」の整数演算ではRyzen 5 2400GでもCore i5-8400の半分以下。動作クロックやコア数以上の差がついており、AVXをはじめとした拡張命令に最適化したアプリケーションを主に使うなら、素直にIntel製CPUを選択しよう。
続いてメモリコントローラ関連のテストとして、「メモリの帯域」のスコアを確認していこう。なおこのテストに関してはRyzen 2000Gシリーズが正式サポートする2,933MHzと、メモリの最大クロック3,200MHzでも計測を行っている。
いずれのAPUでもCore i5-8400より約1割高速で、Ryzen 2000Gシリーズのメモリコントローラの完成度はかなり高い。また高クロックメモリへの最適化も進んでおり、メモリクロックに従って帯域幅はリニアに上昇。ビデオメモリにメインメモリの一部を割り当てる内蔵グラフィックスではかなりの効果が期待できるが、この点については次回の「GPU編」で明らかにしていきたい。
ベンチマークテストが一段落したところで、「Ryzen Master」によるCPUコアのオーバークロックに挑戦していこう。今回はCPU電圧を「Ryzen Master」のデフォルト設定のまま、クロックを調整。「CINEBENCH R15」が問題なく動作する設定を探ることにした。
「Ryzen Master」を使いCPUコアのオーバークロックに挑戦。今回はクロックのみを調整する簡易的なチューニングを行った |
Ryzen 5 2400Gのオーバークロック結果 | Ryzen 3 2200Gのオーバークロック結果 |
今回のAPUで安定動作させることができたのは、いずれも倍率39.5倍の3.95GHzまで。なお4.00GHzまでは、ファイルのコピーやWebの閲覧など軽い作業は問題ないものの、「CINEBENCH R15」実行時にフリーズやエラーが表示される。電圧を調整すれば、もう少し上を狙えそうな感じだが、今回は時間の関係もあり断念した。
「CINEBENCH R15」の結果を確認すると、コアクロックに比例してスコアが上昇しており、CPUの処理性能を上げたい場合にはオーバークロックは有効な手段になる。またシングルコア性能が同じレベルまで引き上げられていることから、Ryzen 5 2400GとRyzen 3 2200GのCPUコアはクロック以外、全く同じ構成であることが想像できる。