エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.639
2018.02.27 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
「500D」のストレージ搭載スペースは、すべてマザーボード背面のエリアに集約されている。つまりもっとも広いスペースが確保されている左サイド側に、シャドウベイの用意はない。魅せるPC構築も当然視野に入る「500D」の設計だが、主役は意外にもスペースが占有される本格水冷の構成パーツで、今やストレージの立場は脇役といったところだ。
2箇所あるストレージ搭載スペースのうち、3.5インチシャドウベイはフロント右手に位置する。縦に2つ装備されたABS樹脂製のブラケットは、下側中央部を1本のハンドスクリューで固定。ロックされた背面部を上方向にスライドさせる事で、取り外しができる仕組みだ。
ブラケット両側面にはピンが備わり、3.5インチHDDはツールフリーで固定ができる。なお底面にある4つのネジ穴を使えば、2.5インチSSDもマウント可能 |
2.5インチSSD専用のシャドウベイは、CPUクーラーメンテナンスホールの下エリアにレイアウトされている。マザーボードトレイ部には独立型マウンタ3つが横並び。ハンドスクリュー1本で固定され、必要箇所だけ取り外して2.5インチSSDを固定する。
2.5インチSSD専用マウンタは、脱落しないハンドスクリューを使用。SSDの背面をネジ穴に合わせ、ミリネジで固定する |
近頃流行の装備として真っ先に思い浮かぶのが、ボトムカバーだろう。出始めの頃は熱源の分離がメリットと謳われるケースがほとんど。しかし”魅せるPC”に注目が集まると、煩雑になるケーブル類を電源ユニットごと隠してくれる、カバーの役割として認知されるようになった。ちなみに英語表記のマニュアルでは「覆う」といった意味を持つ「shroud」と表記される事が多い。なるほど違和感がない。
実測280mmのボトムカバーを備えた搭載スペースには、奥行き225mmまでのATX規格が搭載可能。意外にもスペースを必要とする、モジュラー式のハイエンド電源ユニットでも搭載できるだろう。
ボトムカバーのフロント寄り側面は密閉状態。カバー自体は取り外しが想定されておらず、電源ユニットのインストールは右側面のスペースから行う |
拡張スロットは横に7段、縦に2段の計9段。拡張スロット金具はハンドスクリューで固定され、長方形の通気孔を備えている。さらに縦2段は、グラフィックスカードの垂直マウント用。市販のライザーケーブルを用意すれば、強化ガラス製サイドパネルに対してVGAクーラーを水平にマウント。各社自慢のオリジナルクーラーが常時”鑑賞”できる。
グラフィックスカードを垂直マウントする縦2段の拡張スロットは、必要な時にくり抜く仕様。それでもグラフィックスカード搭載用のハンドスクリューは装備されている |
フロントパネル裏の底面を見ると、ネジ穴やスリットが確認できる。マニュアルに記載はないが、水冷パーツの固定を想定した”万能プレート”のような役割を果たす設置スペースだ。これまでシャドウベイとして使われていた跡地を無駄にせず、有効活用しようという考えだ。
幅約105mm、奥行き約175mmの空きスペースに、約45mm幅のスリット6本と複数の穴が、10mm/25mm/35mm/45mmの各ピッチでレイアウトされている。特に決まりは無いが、なにかと便利に使えそうだ |