エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.643
2018.03.12 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
外装周りをチェックした後は、内部構造を見ていく。全体の約4分の1はボトムカバー(シュラウド)で占有された左側メインエリア。シャドウベイユニット等の構造物は一切なく、非常にスッキリとした印象。前後には標準装備品の冷却ファンが確認できる。
まずは冷却構造を確認する。「ENSO」のエアフローレイアウトは、フロント側から外気を取り入れ、リアまたはトップより熱を排出する極めてオーソドックスなスタイルが採用されている。なお冷却ファンの最大搭載数は6基。ここからは各々の搭載ポジションをチェックしてみよう。
冷却機構のチェックは、フロント部から開始する。フロントパネル形状から、密閉型の印象が強い「ENSO」。確かに大風量を取り込む明らかな穴は設けられていないが、スチール製フロントパネルの外周にはスリットがあり、吸気できるようになっている。
なおこの面には120mm口径ファンが1基標準装備され、さらに2基の120mm口径ファンが増設可能。また140mm口径ファン用の穴も備わることで、最大2基が搭載できる。ラジエターについては、240mmまたは280mmサイズをサポート。ただし厚さは35mmまでとされている。
出荷時はフロント中央部に装着済みの120mm口径ファン。スペックは非公表ながら実際の動作音は十分に静かだった。なおコネクタは3pinと4pinペリフェラルの両対応 |
正面左手にはスライド着脱式の「リムーバブルダストフィルター」を装備。ユニークな横スライド式を採用し、メンテナンス性も良好 |
フロントパネルを外した状態のシャーシ面。標準ファンの固定にはテーパーネジが使用されていた |
本体内部からトップパネルを見上げると、ハニカム状の通気孔が確認できる。ここには120mm口径ファン2基増設用のネジ穴が装備されている。近頃のミドルタワーPCケースとしては少々控え目に感じるが、奥行き454mmのボディサイズを考えれば相応だろう。なおラジエターを取り付けたいところだが、マザーボードと接近しているため、サポート外とされている。
120mm口径ファンを増設する場合、トップパネルのカバーは「ソリッドトップカバー」から「メッシュトップカバー」に付け替える |
リア部にも120mm口径ファンが標準装備。説明するまでもなく、CPUソケット周辺を含む、PCケース内部の熱を常時外部に排出する役割を果たしている。詳細スペックは開示されていないが、動作音は静か。ブラックフレームに乳白色インペラの組み合わせで、製品情報にはStatic RGBと明記されている。実はこの120mm口径ファンにはLEDが内蔵されており、フロントトップの「LED Control Button」をプッシュする毎に、発光カラーが変更できる。「ENSO」のコンセプトは実に明確だ。
既に配線済みの120mm口径Static RGBファン。ちなみに120mmサイズラジエターへの換装にも対応。ネジ穴はスリットタイプで、実測約15mmのスライド幅でポジションが調節できる |