エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.643
2018.03.12 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
ここまで6ページにわたり、「ENSO」の基本スペックから外装周り、内部設計までをくまなくチェックしてきた。奇をてらった仕掛けはないものの、今の自作PCケースらしい構造に、これといったマイナス点は見当たらなかった。
では実際に組み込み作業を行った場合はどうだろう。製品資料やマニュアル、さらには実機を眺めるだけでは分からない事に、気が付くかもしれない。最終セッションでは、構成パーツ一式を用意し、順を追ってPCを組み上げてみたい。なお自作PCマニアにとって、常識的な内容が少なくないだろう。そんな場合でも、ドレスアップやパーツの組み替えの参考になればと思う。
しつこいようだが、「ENSO」はASUS「Aura Sync」に正式対応したPCケース。このモデルをチョイスする人の多くは、アドレス指定対応RGB LEDイルミネーションを楽しもうと目論んでいるに違いない。そこでマザーボードにはASUS「ROG STRIX Z370-F GAMING」を用意。これをベースに組み込み作業を進めていこう。
なお「ENSO」のマザーボードトレイには、あらかじめ要所にスタンドオフが装着されている。ただしATX規格の場合は右端縦列が未装着状態。必要箇所に付属品を使い、しっかりと固定する必要がある。
“Aura RGB header”がお目当てでチョイスしたIntel Z370 Expressチップを搭載するASUS「ROG STRIX Z370-F GAMING」。検証時での実勢価格は税込約25,000円前後 |
トップパネルからマザーボード上端までは実測で約30mm程度。25mm厚冷却ファンを搭載すれば、残りは5mmといったところ | フロント標準ファンとマザーボード右端までは実測で約130mm。冷却ファン無しの場合は約155mmほどのマージンが確保できる |
トレイにマザーボードを固定したところで、CPUクーラーの有効スペースを計測してみた。公称では高さ160mmとされ、実測でもその数値はクリア。中型クラスまでのサイドフロー型CPUクーラーは、収める事ができるだろう。
さらにマザーボードトレイ背面から、CPUクーラーメンテナンスホールもチェック。実測で幅約160mm、高さは約135mmで、十分にスペースが割かれていた。
実測では公称160mmを多少超える程度だった、CPUクーラーの有効スペース | CPUクーラーのメンテナンスホールは、バックプレートが露出するには十分な大きさにカット |
グラフィックスカードの搭載テストには、GALAX「GK-GTX1080-E8GB/WHITE」を用意した。100mm口径LEDファンをデュアル装備するVGAクーラー(2スロット占有)を実装する、NVIDIA GeForce GTX 1080搭載ハイエンドモデルだ。ちなみに奥行きは282mm。「ENSO」の拡張カード有効スペースは公称340mmだけに、チョイスになんら問題はないだろう。
GALAX「GK-GTX1080-E8GB/WHITE」は選択肢が少ないホワイト色のグラフィックスカード。色味は異なるものの、さすがにホワイト筐体内部での収まりは良い |
フロント標準ファンまでの距離は実測で約95mmを残す。ハイエンド系グラフィックスカードの居住性は良好 | 拡張ブラケットはインチネジで固定。側面からスロットの折り返し部分を固定するプレートは、上下2つのハンドスクリューでスライドする仕組み |