エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.644
2018.03.14 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
複数のベンチマークで、SATA3.0(6Gbps)SSDのハイエンドモデルに匹敵するパフォーマンスを発揮した「HG7」シリーズ。統合ユーティリティ「SSD TURBO BOOST」のDRAMキャッシュを組み合わせれば、さらに性能を引き上げることができるという。そこで、テストセッションのラストはそのキャッシュ効果について簡単にチェックしておこう。
DRAMキャッシュの他、メンテナンス機能やクローン化ツールを備える統合ユーティリティ「SSD TURBO BOOST」 |
「Speed Up」タブにあるDRAMキャッシュ機能には、「セーフ設定」「スタンダード設定」「ヘビー設定」の3種類のプロファイルが用意されていた |
セーフ設定 | スタンダード設定 |
ヘビー設定 |
「SSD TURBO BOOST」のDRAMキャッシュ機能には、安全性を優先した「セーフ設定」、書き出しデータ量を増やした「スタンダード設定」、キャッシュメモリの効果を優先した「ヘビー設定」の3つのモードが用意されているが、シーケンシャルアクセスは読込・書込ともおおむね4,000MB/secで横並び。またランダムアクセスは「セーフ設定」と「スタンダード設定」ではほとんど違いがないものの、「ヘビー設定」では4KiB Q8T8の読込が約1.5倍、書込も約1.3倍に向上した。このことからシーケンシャルアクセスを重視するなら、安全性も確保されている「セーフ設定」を、ランダムアクセスを重視するなら停電時などの障害のリスクはあるものの「ヘビー設定」がオススメだ。
なお「SSD TURBO BOOST」には、DRAMキャッシュの他にも、「ファイルチェック」や「手動ガーベッジコレクション」「データクローンツール」など便利な機能が揃っている。以下に画像で紹介しておくので、ぜひ有効に活用してほしい。
「Refresh」タブでは、保存されているファイルのチェックや「手動ガーベッジコレクション」(SSD向けデフラグ処理)が可能 | 「Maintenance」タブでは、OSへの最適化やドライブ文字の変更、利用状況などが確認できる |
「Migration tool」タブでは、システムディスクのクローン化やディスクの完全消去ができる |
CFDとIntelのコラボレーションSSD第1弾として登場した「HG7」シリーズ。読込に関してはシーケンシャル、ランダムとも安定してインターフェイスの限界に迫るパフォーマンスを発揮。書込については、「CrystalDiskMark 6.0.0」でややばらつきがあるものの、SATA3.0(6Gbps)SSDとしては高速な部類。このモデルがメインターゲットに据えるHDDからの換装であれば、十分恩恵を受けることができる。
オールアルミニウム製の軽量筐体を採用する「HG7」シリーズ。HDD搭載ノートPCの換装であればパフォーマンス向上に加え、軽量化効果も期待できる |
また統合ユーティリティ「SSD TURBO BOOST」を使えば、最高4GB/secの超高速ストレージ環境を手軽に構築できるのも大きなメリット。クローン化ツールも実装され、システムの移行も簡単に行えることから、RAIDの構築や拡張カードを使ったNVMe SSDの増設が難しいノートPCのアップグレードには特にオススメだ。
協力:CFD販売株式会社