エルミタ的一点突破 Vol.47
2018.03.16 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕/池西 樹(テストセッション)
国内で唯一、コンシューマ向けにオリジナルCPUクーラーを企画・設計。自作PCブームに乗って誕生したサイズは、今なお路線を変えることなく、独自製品を市場に提供し続けている。新製品はリリースされる毎に注目を集め、空冷の「定番」と呼ばれるモデルは歴代、サイズの製品が世代を変えて守り続けている状況。日本国内市場でサイズの牙城を崩す事は、高発熱CPUを冷却よりも難しい事かもしれない。
さて今回取り上げるのは、そんなサイズが久し振りに企画・設計したトップフロー型CPUクーラー「超天」(型番:SCCT-1000)だ。
超天(型番:SCCT-1000)市場想定売価税抜3,980円(2018年3月14日出荷開始) 製品情報(株式会社サイズ) |
この製品が誕生するにあたり、株式会社サイズの開発に携わるS氏によると、企画自体はサイドフロー型CPUクーラーの定番「虎徹 MarkⅡ」(型番:SCKTT-2000)のトップフロー版であるらしい。そして根強く需要があるトップフロー型でも市場のNo.1を狙うべく、当初のネーミング案は「頂点」だったそうだ。紆余曲折があり、製品版は「超天」になったが、製品に対する思いは変わらない。
外装パッケージは歴代オリジナルモデルを踏襲した、フック穴付きの紙箱。パッケージサイズはW175×D145×H190mm、重量790g |
評価サンプルをパッケージから取り出す前に、スペック表から「超天」の概要を掴んでおこう。アルミニウム製放熱フィンと、ニッケルメッキ処理が施されたφ6mmヒートパイプ4本で構成。そこに25mm厚120mm口径ファンがワイヤークリップでマウントされている。
対応フォームファクタは、Coffee Lake-Sにも対応するIntel LGA1151をはじめ、AMD Ryzen Summit RidgeのSocket AM4、さらに最新APU Ryzen 5などのRaven Ridgeも当然サポート。CPUから熱を吸い上げる受熱ベースは銅製で、マザーボードへの固定方法に、Intel系は手軽なクリップ式リテンション(LGA2011/2011-V3/2066非対応)。AMDはフック式(TR4は非対応)をそれぞれ採用。出荷時はIntel向けクリップが装着されていた。