エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.645
2018.03.24 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
Intel Z370搭載の「C7Z370-CG-IW」とCore i7-8700Kの組み合わせであれば、誰でも気軽にチャレンジできるCPUの簡易オーバークロックが可能だ。UEFIに用意されたプリセットを使用して、どの程度パフォーマンスがアップするかを確かめてみよう。
最大12スレッドのCore i7-8700Kの挙動を「CPU-Z」でチェック。アイドル時はおおむね800MHz台だが、高負荷時には最大4.7GHzまでクロックが上昇している |
UEFIの設定項目では、プルダウンのメニューからクロックを選ぶだけ。お手軽にパフォーマンスアップにチャレンジできる |
ひとまず現状の環境では、5.2GHzでの平常動作が可能だった |
5.2GHzの設定であれば問題なく動作したものの、それ以上の設定ではOSの起動やベンチマーク中の挙動が安定しなかった。それでも手間いらずのオーバークロックで定格+500MHzを達成、「CINEBENCH R15」のスコアも約3~8%の向上がみられた。SuperO製品は信頼性を特に重視して設計されているため、OC状態での常時運用も問題ないだろう。
SuperOブランドが立ち上げられた当初は、正直なところもう少しテンポよく新製品が並ぶものだと思っていた。コンシューマ向けの市場なのだから、開発に膨大な時間をかけることで知られるSupermicroのアプローチも、多少は変わるだろう。そんなふうに考えていたが、実際には「Server DNA」のマインドはブレることがなかった。
サーバー向けの部材を惜しげもなく使い、開発にあたっては、通常では考えられないほど厳格な検証を課す。確かに一ユーザーとしては多少のもどかしさも感じるものの、それだけ熟成され切って投入される製品は、一層重みを増すことになる。SuperOがこれでもかと追求する、耐久性や信頼性、安定性といった要素は、何よりマザーボードにとっての必須条件だからだ。
RGBイルミネーションをはじめ、ユーザーの声を取り入れつつ「Server DNA」のクオリティは譲れない。遅れてやってきたのには、ワケがあったということだ |
そしてようやくに近日発売の運びとなった「C7Z370-CG-IW」は、Z370搭載マザーボードとしては、確かに遅咲きの部類に入る。しかし完成した製品は、デュアルM.2やRGBイルミネーション、無線LANのサポートなど、現行のトレンドに照らしてみても、ほぼ全部入りと言っていい仕上がりだ。
これはユーザーからの多彩なリクエストと、何よりSupermicroが求める高い品質基準が、しっかり両立できたということ。スモールフォームファクタのカテゴリに、マザーボードの本分を極めた新たな本命モデルが、また1枚加わった。
協力:Super Micro Computer, Inc.