エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.649
2018.04.09 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
これまでメインストリーム向けプラットフォームでは、まずハイエンド志向のユーザーに対して上位CPU/チップセットを先行投入。その後、1~2ヶ月遅れで残りのラインナップをすべて揃え、一気に普及を進める手法をとってきたIntel。しかしCoffee Lake世代ではAMD Ryzenの大幅な躍進もあり、上位モデルのスケジュールをやむなく前倒し。その結果、下位CPUや残りのチップセット投入までに約4ヶ月もの長い間待たされる事になったワケだ。 今回新たに登場したチップセットは、最上位Intel Z370からオーバークロック機能とレーン分割機能を省略したアッパークラスのIntel H370、RAID機能を省略したミドルレンジクラスのIntel B360、メモリスロットやストレージを制限したエントリークラスのIntel H310の計3モデル。いずれもCPUはTDP 95WまでのCoffee Lakeに対応し、メモリはDDR4-2666MHzのデュアルチャネル動作をサポート。拡張性や機能面にはそれぞれ差があるものの、定格運用が前提であればPCの性能には大きな制限はない。 また新機能として、IEEE 802.11ac無線LAN&Bluetoothコンボカードが増設できる「Integrated Intel Wireless-AC(CNVi)スロット」が追加。さらにIntel H370/B360には、チップセットレベルでは初めてUSB3.1 Gen.2機能が統合され、別途チップや拡張カードを搭載しなくても10Gbpsの高速データ転送が可能になる。 今回の主役である「H370 AORUS GAMING 3 WIFI」は、GIGABYTEのハイエンドゲーミング「AORUS」シリーズに属するIntel H370マザーボード。最近のゲーミングモデルでは必須機能とも言えるLEDライティングは、デジタルRGBやゾーン設定に対応する「RGB Fusion」を採用。また最新Realtek製オーディオIC「ALC1220-VB」をベースにした高音質オーディオ回路や、メタル補強を施したメモリ・拡張スロット「Dual Armor Protection」、M.2 SSDのサーマルスロットリングを防ぐ「M.2 Thermal Guard」、高性能ファンコントロール機能「Smart Fan 5」など、GIGABYTEの最新機能はもれなくカバーしている。 さらにゲーミングPCで重要になるネットワーク機能には、「cFos Speed Internet Accelerator」による帯域制御が可能なIntel製ギガビットLANに加え、CNViスロット用のワイヤレスカード「Intel Wireless-AC9560」が標準で付属。無線LAN規格はこれまでの(2×2 IEEE 802.11ac)2倍、最大転送速度1,734MBpsのIEEE 802.11ac Wave2に準拠し、有線だけでなく無線LAN環境でも遅延やストレスなくゲームプレイをプレイできる。 またRAID対応のデュアルM.2スロットや、リバーシブルコネクタType-Cを含むUSB3.1 Gen.2など、最新インターフェースも充実。GIGABYTE製マザーボードではおなじみの抗酸化設計「Anti Sulfur Protection」や、静電気・サージ保護機能、独自の品質基準「Ultra Durable」コンポーネントなど高品質設計も踏襲。Intel H370チップ採用モデルながら、ハイエンドゲーミングの名に恥じない仕上がりだ。 またGIGABYTEでは「H370 AORUS GAMING 3 WIFI」の他に、Intel 300シリーズ第1弾として、コストパフォーマンスを重視したIntel H370搭載のATXモデル「H370 HD3」や、MicroATXモデル「H370M D3H」、高機能なMini-ITXモデル「H370N WIFI」、今回唯一のIntel B360モデル「B360M DS3H」の計5モデルを投入。なおこれらの詳細についてはこちらのプレスリリースをあわせて参照いただきたい。
GIGABYTE「H370 AORUS GAMING 3 WIFI」 市場想定売価税抜19,000円前後(4月3日発売開始)
製品情報(GIGABYTE)
約4ヶ月遅れで登場したIntel 300シリーズの下位モデル
AMD Ryzenに煽られる形でCoffee Lakeを前倒しで投入した結果、下位CPU/チップセットの登場まで約4ヶ月もの間待たされることになった
Coffee Lake向けチップセットとして、コンシューマ向けにはIntel H370/B360/H310の3モデルが追加。なおIntel H370/B360は不明だが、Intel H310では製造プロセスがこれまでの22nmから14nmに縮小されている
今回発表されたチップセットでは、USB3.1 Gen.2ポートや「Integrated Intel Wireless-AC(CNVi)スロット」が新たに追加された
ハイエンドゲーミング「AORUS」シリーズのIntel H370マザーボード
グローバルサイトを確認すると、新チップを採用する「AORUS」シリーズは全6モデル展開。その第1弾として国内投入されたのが今回の主役である最上位「H370 AORUS GAMING 3 WIFI」だ
“鷲(イーグル)”をモチーフにしたおなじみの「AORUSロゴ」がデザインされたパッケージ。サイズは実測340×270×80mm
Intel Z370のハイエンドモデルに匹敵する多機能ぶりが光る「H370 AORUS GAMING 3 WIFI」。パッケージ裏面には各機能についての解説がビッシリと記載されていた
GIGABYTE製Intel H370/B360マザーボード第1弾は「H370 AORUS GAMING 3 WIFI」を筆頭に、厳選された計5モデルがラインナップ