エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.652
2018.04.19 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
ここからは「Sandra 2017」のスコアを確認していこう。まずはCPU関連のテストとして、「プロセッサの性能」と「マルチメディア処理」を測定した。
「プロセッサの性能」は、「CINEBENCH R15」ほどではないが、Ryzen 7 2700Xが8コア/16スレッドの強みを生かし、整数演算、浮動小数点演算ともCore i7-8700Kを上回る。Ryzen 7 1800Xとの比較でも約5%スコアがアップしており、これからPCを組むのであれば価格差が僅かな初代Ryzenシリーズを選択するメリットはない。
またマルチメディア処理については、Intelの拡張命令に最適化されていることもあり、Core i7-8700Kが他のCPUを圧倒。AVXなどの拡張命令を多用するアプリケーションがメインなら、素直にIntel製CPUの使用をオススメする。
続いてメモリ関連のテストとして、「メモリの帯域」と「メモリのレイテンシ」を確認していこう。なお、これらのテストのみRyzen 7 2700Xでは、3,400MHzと2,666MHzのメモリクロックでも計測を行っている。
評価キットに付属したG.SKILL「F4-3400C16D-16GSXW」には、2,133MHzのほか、3,400MHzのメモリプロファイルが保存されていた |
メモリクロックによる帯域幅の違いを確認するため、Ryzen 7 2700Xでは、2,666/2,933/3,400MHzの3段階のメモリクロックで計測を実施 |
2,666MHzのスコアを確認すると、Ryzen 7 2700XとRyzen 7 1800Xの差は1%未満。一方Core i7-8700Kとの比較では約2割と、同じクロックながら大きな差が現れた。マルチスレッド処理で重要なメモリ帯域についてはRyzenシリーズの方がかなり最適化されている。またメモリクロックによる違いを確認すると2,666MHzと2,933MHzで約7%、3,400MHzと2,933MHzでは約15%とほぼクロック通り。Ryzenシリーズでは、高クロックメモリを選択するメリットはかなり大きいことがわかる。
続いて「メモリのレイテンシ」を確認していこう。初代Ryzenが苦手としていたテストだが、第2世代Ryzenでは約13%短縮化され、最適化の効果は確実にある。ただし、Core i7-8700Kとの比較では約3倍と圧倒され、レイテンシについては今後さらなる改善に期待したい。なおメモリクロックによる違いは2,666MHzと2,933MHzで約7%、2,933MHzと3,400MHzで約10%とこちらも効果は大きい。第2世代RyzenでハイエンドPCを構築するなら、メモリ容量はもちろんのこと、クロックも予算が許す限り高いものをチョイスしたい。