編集部で使ってみた
2018.05.05 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
CPUクーラーにはCeleron G3900に付属するリテールクーラーを使用した |
最後に消費電力の違いとCPUの温度をチェックしていこう。アイドル時は起動直後10分間放置した中で最も低い数値を、高負荷時は「OCCT 4.5.2:POWER SUPPLY」テストを30分実行した際の最高値をそれぞれ取得している。
消費電力を確認するとアイドル時は5.3W、高負荷時は3.5Wの差がついているが、これはおそらくCeleron G4900Tのほうが、多機能なハイエンドマザーボードを使用しているため。CPU自体の消費電力はほぼ同じと考えて良さそうだ。多くのベンチマークで10%以上高いスコアをマークしていることを考慮すれば、ワットパフォーマンスは良好と言える。
また温度をチェックすると、リテールクーラーの中でも特にシンプルなCeleron G3900付属のリテールクーラーを使用しているにもかかわらず最高温度は50.5℃で頭打ち。ロープロファイルタイプの超小型CPUクーラーでも冷却性能が不足することはなく、静音性を重視したPCには特にオススメだ。
1世代前のKaby Lakeはもちろん、2世代前のSkylakeと比較してもコア数やキャッシュ構成、製造プロセス(いずれも14nm)などに違いはなく、クロックの向上と内部構造の最適化のみに留まるCoffee Lake版Celeronシリーズ。しかし、今回の検証ではSkylake世代からCPUコア性能は約10%、GPUコア性能に至っては20%弱も向上し、地味な改善ながら確実に進化を遂げている。それでいて消費電力は同等レベルを維持しており、常時起動の静音・省電力PCや、セカンドPCのアップグレードを検討しているならCoffee Lake版Celeron、特に今回検証したCeleron G4900Tは魅力的な存在だ。
GPUコア性能はSkylake世代から20%弱向上したCoffee Lake版Celeron。ライトなゲームであれば、5,000円前後のローエンドCPUでもオンボードグラフィックスで十分に楽しむことができる |
また最新チップセットIntel H370/B360ではUSB3.1 Gen.2機能が内蔵されたことで、コスト重視のローエンドマザーボードでも多くのモデルで10Gbpsの高速データ通信が可能。さらにCNVi規格に対応するギガビットクラスの高速無線LANを標準装備する製品もあるなどプラットフォームとしての完成度も上がっている。これらの最新機能をできる限り低コストで体験してみたいという人にも、Coffee Lake版Celeronは有望な選択肢となるだろう。