エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.658
2018.05.18 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
ブリスターパッケージに収められた「NF-A12x25」シリーズ本体を手に取り、細部をチェックしてみよう。ここではシリーズ3モデルの中からランダムに選んだ「NF-A12x25 FLX」を取り上げる。なお残り2モデルも基本的な部分は共通だ。
Noctua「NF-A12x25 FLX」 |
ベージュのフレーム(AAOフレーム)とブラウンのインペラ。外観はNoctua伝統のコーポレートカラーを受け継いだデザイン。技術は進化してもこのスタイルだけは崩さない、Noctuaの職人気質を感じさせる。
まず120mm口径の従来モデルに比べ、明らかに違うのはインペラの枚数。120mm口径ファンと言えば7枚が多い中、「NF-A12x25」シリーズでは2枚多い計9枚仕様とした。超硬質素材「Sterrox LCP」で製造されるインペラは、7枚仕様よりも1枚の面積が狭く、ねじれのようなカーブにより、切り裂くように風を作り上げて行く。
そして注目点は、インペラとフレームの隙間。従来の1.5mmに妥協せず、よりエアフローの損失を少なくする0.5mmに設計された。回転時の遠心力から起こる上下振動を抑える事ができる熱膨張係数の低い「Sterrox LCP」採用で実現した、Noctuaの技術が凝縮されている重要ポイントだ。
さらにインペラ表面に設けられた溝「Flow Acceleration Channels」は、切り裂く空気の流れをより加速させる効果があるという。この手法は複数の冷却ファンでも採用例が多く、乱流による騒音の低減といった静音化にも貢献している。
そして中央のモーターハブがやや大型化されている事に気が付く。中心部はスチール製で、アクスルマウントは真鍮構造で補強。軸受けにはNoctua第2世代の「SSO2ベアリング」が使用され、真鍮製CNCベアリングシェルを採用する事で安定性・精度・耐久性が確保されている。
フレーム四隅に装着済みの「NA-AVP1」は、駆動振動を減衰させる効果がある。取り外しも可能 | コネクタケーブルはスリーブタイプを採用。なおケーブル長は実測で200mm |