エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.659
2018.05.21 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
2018年4月19日の22時に解禁された、“Pinnacle Ridge”こと第2世代のRyzenシリーズ。盛況だった店頭での“やや深夜販売”もまだ記憶に新しいが、それと時を同じくして、BTOメーカーからも第2世代Ryzen搭載モデルが一斉に発売された。
サイコム「G-Master Spear X470A」 基本構成売価税込146,670円(5月17日現在) 製品情報(株式会社サイコム) |
さかのぼること約1年前に登場して自作市場を席巻した初代Ryzenは、コンシューマ向けのAMD製品としては久しぶりの大ヒットを記録。これまでほぼIntel一色だったBTO市場にも巨大な地殻変動が起こり、Ryzen搭載モデルが多数登場することになった。
国内有数のBTOカスタマーであるサイコムでも、Ryzen搭載モデルのセールスは非常に好調とのこと。それだけに後継の第2世代Ryzenに対する注目度も高く、「発売前から相当数の問い合わせが舞い込んでいた」(担当者)という。
特に最大8コア16スレッドの圧倒的なマルチタスク性能は大きな魅力であり、それがもたらすゲーミングパフォーマンスにも大いに期待がもてる。実際にサイコムのラインナップでも、ひときわゲーミングモデルにオーダーが集中しているようだ。
AMDの存在感が希薄だったBTO市場の情勢も、Ryzen登場で一変。その後継である第2世代Ryzen搭載モデルの販売がサイコムでもスタート、デュアル水冷の「G-Master Hydro X470A」を含め、ゲーミングモデルが早くも人気という |
そこで今回は、期待の第2世代Ryzenを搭載したゲーミングマシン「G-Master Spear X470A」を取り上げる。コストパフォーマンスに優れた大定番ケース「CM 690 III」を採用した、ミドルレンジモデル「Spear」シリーズの最新作だ。
基本構成をチェックすると、CPUは第2世代Ryzenで最もお手頃なRyzen 5 2600(6コア/12スレッド/定格3.40GHz/ブースト最大3.9GHz/TDP65W)、マザーボードには最安級のX470チップ搭載マザーボード「X470 GAMING PLUS」を採用するなど、ケース同様のコンセプトがうかがえる。それでいて、グラフィックスにはGeForce GTX 1060を標準搭載。コストパフォーマンスに配慮しつつ、しっかりしたゲーミングパフォーマンスが期待できる構成にまとまっている。
手頃な価格で第2世代Ryzenベースのゲーミングマシンが欲しい、というニーズに応える「G-Master Spear X470A」。定番ケース「CM 690 III」が目印のミドル向けBTO最新作だ |
そのほか、メモリはDDR4-2400MHz動作の8GBで、ストレージはCrucial「MX500」シリーズの500GBモデルを実装。電源ユニットには、80PLUS GOLD認証を取得したフルモジュラー仕様のSilverStone「SST-ST75F-GS V2」が採用されている。
なお、これら標準構成だけでなく、「G-Master Spear X470A」は詳細なBTOカスタマイズにも対応。実際に編集部に届けられた評価機は、CPUがシリーズ最上位モデルのRyzen 7 2700X、グラフィックスカードはASUSオリジナルモデル「STRIX-GTX1060-DC26G」、メモリはCrucial「Ballistix Sport LT DDR4」シリーズ16GB、ストレージがIntelのNVMe M.2 SSD「SSD 760p」シリーズ256GBに変更されていた。
いずれも“正解”になり得る有力なカスタマイズ候補揃い。次項からは、その構成を順番にチェックしていこう。