エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.662
2018.06.15 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
最終セッションでは、ENERMAX「SABERAY」最大の魅力でもあるイルミネーションギミックを詳しく解説しよう。フロントに標準搭載される3基の120mm口径「T.B. RGBタイプファン」、それを際立たせているのが両サイドのラインの存在だ。トップ背面まで伸びる2本のラインにはLEDストリップを内蔵。角型乳白色のカバーを備え付け、「ENERMAX LED LIGHTING Technology」により色むらなく均一な点灯を実現した。
光の強弱なく色むらの無い一定の発光が特徴の「ENERMAX LED LIGHTING Technology」。「ライトセーバー」をイメージすると、分かりやすいかもしれない |
「SABERAY」を彩るイルミネーションギミックは、マザーボードトレイ背面に備え付けられた「Integrated control hub」により一括で制御されている。どうしても多くの配線が気になるが、合計4本のLEDストリップ、3基の「T.B. RGBタイプファン」(電源およびRGB LEDコネクタ各3本)全てがこの基板に接続され、1本のSATA電源コネクタで電力を供給。フロントトップにあるスイッチパネルに接続され、各種操作ができる仕組みだ。
出荷時より複数のケーブルが接続済みの「Integrated control hub」は、「SABERAY」の発光ギミックを司る心臓部とも言える基板だ |
次に一見複雑に見えるフロントトップの各種スイッチについて解説しておこう。LEDイルミネーションを制御するのは下段中央のPowerスイッチから右に並ぶ3つだ。
「LED color control」はプッシュする毎に8種類のモードおよび色に変化。Auto RGB mode →Fixed color →Blue→Red→Green →Yellow →Purple →Whiteの順になる。「LED mode control」はLED発光アクションを5種類プリセットし、All on →Dimmed →Sparkle →Flash →Vegasの順。そして右端の「Lumi switch」は同期元の設定で、RGB sync controlled by case →RGB sync controlled by M/B →LED offがそれぞれ制御できる。
トップパネルには120mm口径ファンが3基増設可能。RGB LEDファン3個セットの「UCTBRGB12-BP3」(市場想定売価税抜6,463円/2018年2月10日発売)がオススメ。より個性的なPCが手軽に構築できる |
ENERMAXは自作PC業界においての老舗メーカー。自作PCの黎明期から、数多くのPCパーツおよび周辺機器を市場に提供し続けている。中でも定評を得ているのが冷却ファンだ。ブレードが着脱できるギミックをコンシューマ向けにいち早く導入。LED内蔵ファンに至っては単に発光するだけに留まらず、独自ICの搭載により反射ブレードや複雑な発光パターンの鮮やかなイルミネーションを実現し、自作PC愛好家を驚かせた。数あるアイテムの中でも特徴のあるLEDファンはENERMAXのブランドイメージを印象付け、今なお広く認知されている。
検証を終えた「SABERAY」は、数あるRGB LEDファン搭載PCケースの中でも、ENERMAXが得意とする発光イルミネーションを存分に生かし、実に美しい製品に仕上げた。色ムラの無いLEDストリップの光のラインは、ボディ全体をシャープに見せている。
光をデザインした「SABERAY」は、ENERMAXらしい秀作ミドルタワーだった。
協力:株式会社クーラージャイアント