エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.662
2018.06.15 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
最終セッションでは、すみずみチェックを行ったENERMAX「SABERAY」を使い、実際にPCを組み込んでみよう。作業におけるモデル固有の注意書きは特に見当たらなかったが、構成パーツ搭載後の周辺クリアランスや、作業時に気が付いたこと等をできる限り詳細に解説していきたい。
なお予めお断りしておくと、ここでご紹介する組み込み手順は、必ずしもマニュアル通りではない。とかく自作PCとはそのようなもので、数をこなすと独自のルールができていく。その点はご了承いただきたい。
まずはマザーボードを搭載してみよう。搭載テストに用意したのは、最も選ばれるであろうATX規格(幅244mm、高さ305mm)のマザーボード。マザーボードトレイには出荷時より台座となる「スタンドオフ」が要所に搭載されており、付属のワッシャー付きミリネジで固定していく。「スタンドオフ」が足りない場合は、任意箇所に”増設”すればいい。
特に搭載における注意点はないが、ボトムカバーがあるため、上下方向にはあまり余裕がない。特にバックパネルの位置を決めると、ボトムカバー側はスレスレの位置関係になる。互いに傷を付けないよう、優しく作業を進めていこう。
使用マザーボードはASRock「Fatal1ty Z370 Gaming K6」。ちなみにスタンドオフは1箇所だけ追加した |
マザーボードの上方向のクリアランスは実測で約65mm。一般的なミドルタワーPCケースとしては広い方だろう | 右方向は冷却ファンまでの距離が実測で約185mm。かなりの空きスペースがある |
CPUをソケットに装着し、CPUクーラーを搭載する。用意したのはENERMAX「ETS-T40Fit」シリーズの「ETS-T40F-TB」だ。120mm口径ファンを装備するサイドフロー型CPUクーラーで、全4色のバリエーションを揃えた。なお「SABERAY」のCPUクーラー有効スペースは、高さ175mmまで。「ETS-T40F-TB」は高さ161.7mmであり、許容範囲内に収められている。
公称最大クリアランス以下だけに、強化ガラス製左サイドパネルに干渉する事無く搭載ができている | なおCPUクーラーメンテナンスホールは、実測で幅約170mm、高さ約135mm。開口部は十分だろう |
次にグラフィックスカードを搭載してみたい。検証に用意したのは、奥行き298mmで2スロット占有VGAクーラー搭載モデル。最大420mmの有効スペースへのマウントだけに、搭載自体になんだ心配はないはずだ。
拡張スロット金具は筐体外部でネジ留めを行う。まずはインチネジ1本で固定されたカバーと備え付けの拡張スロット2本を取り外す。なお拡張スロットの固定には、意外にもハンドスクリューが使用されていた |
実測で140mm程度の空きスペースを残し、グラフィックスカードを無事固定。作業のし易さはもとより、右側面の冷却ファン増設スペースに干渉する事も無かった |
今度は本体の裏手に回り、電源ユニットのマウントを試みる。テストに用意したのは同じENERMAXから以前発売された「Platimax EPM600AWT」だ。139mmツイスターベアリングファンを実装した80PLUS PLATINUM認証モデルで、奥行きは160mm。主要コネクタケーブル以外は必要な分だけ接続するモジュラー式が採用されている。
内部構造セッションでも触れた通り、電源ユニットの有効スペースは実測で約250mm。計算上、90mm程度のスペースを残すワケだが、ボトムカバーの存在から画像奥側のモジュラーはアクセスがしにくく、硬質なケーブルとコネクタの組み合わせなら、十分なストロークが確保できているとは言い難い。シャーシ背面にネジ固定する前に、必要なコネクタケーブルは接続しておく事をオススメしたい。
シャーシへの固定は一般的なPCケース同様、インチネジ留め。ボトムカバーは背が低く、シャーシの縁部分はヘミング加工が施されているため、高さ86mm規格のATX電源は少々挿入しにくかった |