エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.666
2018.06.30 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
基板サイズが小さくNANDフラッシュの搭載数が限られるため、2.5インチモデルに比べてパフォーマンスが制限されることが多いM.2 SSD。しかしPLEXTOR「M8V」シリーズでは、「M8VC」と「M8VG」でまったく同じ公称スペックが謳われている。そこで、実際のベンチマークテストでも、公称スペック通り同等のスコアが出るのか確認してみることにした。
AS SSD Benchmark 1.9.5986.35387:総合ベンチマーク |
CrystalDiskMark:【50MiB】 | CrystalDiskMark:【1GiB】 |
CrystalDiskMark:【8GiB】 | CrystalDiskMark:【32GiB】 |
ATTO Disk Benchmark 3.05 |
「AS SSD Benchmark 1.9.5986.35387」「CrystalDiskMark 6.0.0」「ATTO Disk Benchmark 3.05」の3種類のベンチマークで検証を行っているが、シーケンシャル読込は最高約560MB/sec、書込は最高約520MB/sec、ランダム読込は最高約97,000 IOPS、書込は約87,000 IOPSでほぼ公称値通りのパフォーマンスを発揮。スコアの傾向にも変わりはなく、「PX-512M8VG」はフォームファクタが異なる「PX-512M8VC」と同等の性能が期待できる。特にNUCなどのコンパクトPCで、ケーブルの配線を極力なくしたい場合には「M8VG」シリーズは有望な選択肢になるだろう。
NANDフラッシュ、コントローラともに生まれ変わったPLEXTORの最新メインストリームSSD「M8V」シリーズ。特にコントローラは「M」型番でおなじみのMarvell製サーバーグレードICからSilicon Motion製へと変更されたこともあり、その影響を心配していたがまったくの杞憂に終わった。
SLCキャッシュの効きが悪くなる4GBを超える大容量データでは書込速度が若干落ち込むものの、これはTLC NANDフラッシュを使用する製品ではほぼ共通の仕様。4GB未満の一般的なデータサイズであれば読込・書込ともSATA3.0(6Gbps)のインターフェイス限界に迫るパフォーマンスを発揮してくれる。さらに2.5インチとM.2のフォームファクタによる違いもなく、安定性を重視したチューニングはいかにもPLEXTORらしい仕上がりだ。
そして、これまでの製品と同じくオーバープロビジョニング領域が不要なため、NANDフラッシュの容量を無駄なく使えるのも他社製品にはない大きなメリット。NVMe SSDの登場により、SATA3.0(6Gbps)SSDはコストを重視したモデルが主流となっているが、性能と安定性を求めるなら「M8V」シリーズは最有力候補となる製品だ。
協力:PLEXTOR
株式会社リンクスインターナショナル