エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.667
2018.07.03 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
最終セッションでは、「MasterBox MB500 TUF Gaming Edition」による組み込み実践をご覧頂こう。「TUF GAMING」デザインが最大の特徴だけに、構成パーツも同じコンセプトの製品を集めた。従来通り、順を追って組み込み作業を進める事で、マニュアルや製品資料では分からないこと、さらには注意点などをより詳しく解説していきたい。なお組み込み工程について、マニュアルとはやや異なる事をあらかじめお伝えしておこう。
まずはPCの基幹部品であるマザーボードをマウントしてみよう。対応フォームファクタはATX、MicroATX、Mini-ITXだが、ここでは最も選ばれるであろうATX規格のASUS「TUF H370-PRO GAMING」(Intel H370 Express/305x244mm)を用意。型番からも分かるように、もちろん「TUF GAMING」シリーズの人気マザーボードだ。
「MasterBox MB500 TUF Gaming Edition」のマザーボードトレイ部には、右上部分にあたる箇所のみ出荷時よりスタンドオフが備え付けられている。つまりその他の箇所については、マザーボードのレイアウトに合わせ、付属の「スタンドオフ」を装着していく事になる。なお固定には「インチネジ」を使用。左の縦列はネジ頭の上空クリアランスがやや不十分なため、軸の長いドライバー(200mm程度)があると便利だろう。
上下方向にあまり余裕がないため、マザーボード基板をあちこちにぶつけないよう、慎重に作業したい。なお装着済みスタンドオフには段差が設けられており、マザーボードのネジ穴にはまる事で位置決めができるように工夫されている |
搭載後の周辺クリアランスを確認すると、トップパネルまでは実測約25mm、フロントパネルまでは実測約160mmだった。やはり上方向はやや窮屈な印象は拭えない |
冒頭触れた通り、Cooler Masterは「TUF GAMING」シリーズデザインの構成パーツを多数用意している。「MasterBox MB500 TUF Gaming Edition」を選ぶユーザーなら、それらの選択肢に魅力を感じるに違いない。統一デザインで構成されたPCの出来映えが悪いはずは無い。そこでCPUクーラー搭載テストには「MasterAir MA620P」を選んだ。しかしこれには少々問題がある。
「MasterBox MB500 TUF Gaming Edition」のCPUクーラー有効スペースは、公称高さ160mm。しかし「TUF GAMING」デザインの「MasterAir MA620P」は高さ165mmで、規格オーバーだ。レコメンドであるはずの製品だけに、なかなか厳しい状況だが、実際に搭載してみたところ、強化ガラス製左サイドパネルは干渉する事なく閉じる事ができた。本来であればイレギュラーではあるものの、多少のマージンが取られている公表値が功を奏した。メーカー側の公式見解はアナウンスされていないが、サポート情報のアップデートを待ちたい。
本来好相性のはずの「MasterAir MA620P」が実際には規格外。ヒートシンクトップ面には「TUF GAMING」デザインが施され、冷却ファンの中央にもロゴがあしらわれている。これはどうしても使いたい |
120mm口径RGB LEDファンを2基搭載。スティック型「RGBコントローラー」を操作すれば、発光色や発光アクションの切り替えができる |
背面に回りCPUクーラーメンテナンスホールをチェックしてみる。開口部は実測で幅約180mm、高さ約145mmで、比較的大判のバックプレートも全て露出できるだろう |