エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.668
2018.07.06 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
冒頭でも触れた通り、「A1」を特徴付ける機能として「ワイヤレス給電ステーション」が装備されている。トップパネル部にワイヤレス充電対応モバイルデバイスを置くだけで充電ができるというもので、「A1」の電源がオフの状態でも給電を続けるという、言わば独立した存在なのだ。「ワイヤレス給電ステーション」付きPCケースとはユニークだが、スマートフォンは生活に欠かせない存在だけに、今後も搭載モデルが増えるかもしれない。
ちなみにワイヤレス給電機能は1年保証。また製品情報には標準搭載の電源ユニットから換装すると、この機能は使用ができない場合があるとの注意書きが書き添えられている。ここは忘れてはいけない重要なポイントと言えるだろう。
「ワイヤレス給電ステーション」本体。対応モバイルデバイスを置くと、充電完了でアラーム音が鳴る仕組み |
もう少し詳しく解説すると、トップパネル裏面に固定された「ワイヤレス給電ステーション」(W49xD8xH72mm)は、「IW-WT01」という型番が充てられており、入力は5A/2A、対して出力はQi 5V/1Aをサポート。電力伝送効率は75~78%とされる。なお対応機種はiPhone X/8/8Plusをはじめ、Zenfone 4/5/6、Galaxy S7、Xperia Z4v、AQUOSシリーズ等幅広く、製品サイト上で公開されているマニュアル(PDF)で確認ができる。
「A1」には近頃では珍しく、電源ユニットが標準装備。搭載されているのはATX規格の「IP-P600KQ3-2」で、80PLUS BRONZE認証を取得済み。外形寸法は幅150mm、奥行き140mm、高さ86mmで、120mm口径ファンを備えた、”一見”極一般的なモデルだ。
「IP-P600KQ3-2」搭載コネクタはATX24pin x1、CPU 4+4pin x1、PCIe 6+2pin x2、SATA x3、microUSB x1で、ATX規格ながらモデル専用の割り切りに特殊性を感じる |
オプション扱いにしなかった理由のひとつに、「ワイヤレス給電ステーション」の存在があるだろう。前述通りPCの電源がOFFの状態でも、対応モバイルデバイスの充電ができる点がポイント。そのため、電源ユニット直結のmicroUSBケーブルが「ワイヤレス給電ステーション」本体に接続されている。
もうひとつの理由は、収納スペースの制限がある。標準の「IP-P600KQ3-2」は、通常ネジ固定する背面側が右サイドパネル側に向き、ケーブルは左サイドパネル側に向く。ケーブルの行き場を考えると、奥行き140mmでもかなりタイトで、市販品から搭載可能モデルを選択するには多少リスクが伴うワケだ。
強化ガラス製左サイドパネルから丸見えになる箇所だけに、ケーブル面にはABS樹脂製のロゴ入り化粧カバーが装着されている |
手持ちのモバイルデバイスがワイヤレス充電非対応で「ワイヤレス給電ステーション」が不要なら、条件をクリアした汎用電源ユニットへの換装も不可能ではない。
Cube型ミニケースとあって、拡張スロットは全2段。2スロット占有デザインのグラフィックスカードが搭載できるよう設計されている。拡張ブラケットは筐体カラー問わずブラック色で、パンチング加工済みの通気孔仕様。なお固定は外部で行うため、ブラケット固定ネジ部分はカバーで覆われている。
そもそもMini-ITX対応ケースだけに2段以上は不要。外部固定にする事で、少しでも拡張カードの有効スペースを稼ごうという考えだ |