エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.669
2018.07.11 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
ここからは編集部に届けられた評価サンプルをパッケージから取り出し、ENERMAX「LIQFUSION」の外観をチェックしていこう。本体の構成パーツは、120mmファンを2基並べて搭載できる240mmラジエターと、ウォーターブロック、そしてウォーターチューブ上に搭載されたポンプユニットの3種。その他、2基の120mmファン、マウンタキット、各種ケーブル類に加え、補充用のクーラント液が付属する。
「LIQFUSION」最大の特徴が、トップのクリアパネルから“流量計”がのぞく「フローインジケータデザイン」採用のウォーターブロックだ。動作時には9枚の歯車が緩やかに回転し、クーラント液の流量を視覚的に確認できる。さらに周囲にはリング状にLEDが配置されており、付属のコントローラやマザーボードのユーティリティを使い、美しいイルミネーションを楽しむことができる。
クーラント液の流量を視覚的に確認できるウォーターブロック。サイズは直径74mm、高さ51mmで、トップ部分にはリング状にLEDが配置されている |
完全に密閉されているように見えるオールインワン水冷ユニットだが、長年にわたる運用により、どうしてもクーラント液が減ってしまう。一般的なメンテナンスフリー水冷ユニットは水量の確認や補充ができないため、理論上クーラント液が減ることによる冷却能力の低下は製品寿命を意味し、買い換えが必要になる。しかし、「LIQFUSION」は水量を確認しつつ、必要であれば側面の注入口からクーラント液が補充できる、簡易メンテナンス機構を搭載。長期間安定した運用を可能とした。
CPUと接触する部分にはニッケルメッキ仕様の銅製ベースを採用。また側面部分にはシールで封印されたクーラント液の注入口を備える。メーカー担当者によれば「製品保証期間内に足りなくなることはない」としているが、万が一に備えてメンテナンス機構を備えているのは嬉しい |
ウォーターチューブ接続部分は360°回転するため、ケース内での取り回しは容易に行うことができる。なお受熱ベースに貼られた保護シートの剥がし忘れには注意しよう |
ほとんどの場合、ウォーターブロックに内蔵されるポンプユニットだが、フローインジケータを実装する「LIQFUSION」は、ウォーターチューブ上に設置されている。ベアリングは摩耗に強い高性能セラミックベアリングを採用し、ポンプユニットの外装には衝撃や振動を吸収するゴム製カバーを装備する。なお電源コネクタは3pinで、定格電圧は12V、定格電流は0.18A、回転数は5,000rpmで、MTBFは50,000時間とされる。
ENEMRAXのロゴがデザインされたポンプユニット。一般的なウォーターブロックではなくウォーターチューブに固定されている |
ポンプユニットの周囲は、衝撃や振動を吸収するためゴム製カバーで保護されていた | ウォーターチューブはゴム製で、熱や傷からケーブルを保護するためのスリーブで補強済み |