エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.670
2018.07.16 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
次に見ていくのは、PCケースの要である内部構造。まずは検証の環境を整えるべく、4mm厚の強化ガラス製サイドパネルを取り外し、安全な場所で保管しておこう。表面に貼り付けられた保護フィルムはまだ剥がさずにそのままだ。
内部メインエリアへにアクセスできる左側面を眺めると、外周に枠となる部分とトップハンドル等のガードにより、開口部が狭く見える。下部にはボトムカバー(シュラウド)が装着されているため、なおさらだ。とは言え一般的なミドルタワーPCケース同等の開口部は確保されており、組み込みがしにくいと言ったマイナスな部分は見当たらなかった。
冷却ファンレイアウトからチェックを開始しよう。ゲーミングフルタワーPCケースとあって、「高冷却志向」と勝手に思い込んでいるワケだが、まずは製品資料にある冷却ファンおよびラジエターの図説サポートリストを見て頂こう。
搭載スペースは、フロント・トップ・リア・ボトムの4面で、冷却機構は装備面においては期待通りと言えるだろう。ここで気が付くのは、搭載スペース4面のうち3面は外装に強化ガラスが採用されている点。メタル製筐体と違いそれぞれに通気孔は設けられていない。ではどのように「呼吸」するのだろうか。次に搭載箇所を個別にチェックしていこう。
強化ガラス製のフロントパネルを外すと、シャーシ面には120mm口径ファン3基が標準で装備されている。これは「VORTEX RGB」ファンで、追加投資無しでRGB LEDイルミネーションの視覚的効果と、3基のファンによる冷却効果の恩恵を受ける事ができる。なお140mm口径ファン用のネジ穴も装備されており、大口径・大風量といった冷却強化の余地を残した。
搭載できるラジエターは120/140/240/280/360mmサイズで、用途に応じてチョイスすればいい。フロント内部側のスペースは十分なので、物理的干渉の心配も無用だ。
外気の取り入れ口は底面が最も広く実測で25mm。さらにガラスパネル左右にも各5mmの隙間を設けた | 内部側にはマグネット固定式の防塵フィルタを標準装備 |
天板の強化ガラス製パネルを外すと、シャーシ側にはほぼ前面にわたり、通気孔が設けられている。オプション扱いながら、このスペースには120mm口径ファンが3基、または140mm口径ファンが2基増設可能。ラジエターもフロント同様120/140/240/280/360mmサイズをサポートする。
外部から埃の侵入を防ぐ、マグネット固定式防塵フィルタはトップパネル面に装着済み | 強化ガラス製トップパネル中央を実測約23mmほどカットし、通気性が確保されている |
「PANZER EVO RGB」がユニークなのは、リアにもRGB LED発光ファンが標準されているところ。目に触れるフロントはRGB LED発光ファンだが、裏手のリアはLED非搭載ファンというパターンが多い中、フロント同様120mm口径の「VORTEX RGB」ファンが標準で搭載されている。強化ガラス製サイドパネルは色の濃いタイプだけに、リアのイルミネーションにより、周辺が鮮やかに浮かび上がるというワケだ。
こちらも追加投資いらずRGB LEDファンが標準で装備。120mmサイズラジエターの搭載も可能だ |
ABS樹脂製のボトムカバーは、内部から着脱が可能。背面1本のハンドスクリューで固定され、その他3箇所ツメを解除するだけで簡単に取り外しができる。底面に目を向けると、通気孔が用意され、後方は電源ユニット用だが、前方は140mmまたは120mm口径ファンが1基増設できるよう、ネジ穴が設けられている。ボトムカバーの存在を考慮すれば、やや実用的とは言えない箇所ながら、120mmまたは140mmサイズラジエターの搭載にも対応する。
ボトムカバーを外した状態で常用するという使い方もあるだろう。その場合は増設スペースを有効に活用したい |
マザーボードトレイ右横に、縦長のカバーが装着されている。ABS樹脂製の標準装備品「Airflow Guide」は、フロント標準の120mm口径ファン3基から発生する風の一部を取り込み、マザーボードトレイ背面に設置したストレージを冷却しようというもの。フロント標準ファンからの距離が近く、縦に270mmと風の取り込み幅も長いため、意外に効果がありそうだ。不要であれば取り外せばいい。