エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.671
2018.07.19 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
分離レイアウトだけでなく、多彩なカスタマイズ要素も「Barocco」シリーズの魅力。キーボード単体で完結する、ハードウェア由来の機能だ |
「Barocco」シリーズの特徴の一つに挙げられるのが、ユーザー次第で無限の可能性を引き出せる豊富なカスタマイズ機能だ。左右に別れたユニットは1台のキーボードとして使用できるのはもちろん、どちらか単体のみで動作させることもできる。
そのため、各ユニットには複数のUSBコネクタが実装されており、そもそも接続方法が多少ややこしい。まずは「MD650L」の配線事情からチェックしていこう。
キーボード背面には、各ユニットともにmicroUSBとminiUSBコネクタが用意されている |
オレンジのmicroUSBケーブルは、左右ユニットの連結用。単体ユニットで運用する際は使用しない | miniUSBコネクタはPC接続用。ちなみに左右連結状態では右ユニットが“主”になるため、左側のminiUSBに接続しても認識されない |
シンプルなキー印字ながら、「FN」キーとの同時押しで豊富な機能拡張に対応する「MD650L」。設定に必要なキーは、右ユニットに集約されている |
また、コンパクトキーボードの定番として、「MD650L」にも機能拡張用の「FN」キーが実装されている。「FN」キーと指定キーの同時押しで機能が作動、設定やモードを切り替えることが可能だ。数字キーとの組み合わせでは、フルキーボードのファンクションキーが使用できる。
「Barocco」シリーズは、キーボードの設定を保存できる「Layer」というプロファイルを搭載している。カスタマイズ可能な「Layer 1」~「Layer 3」の3プロファイルに加えて、通常モードの「Default Layer」(FN+M)を備え、使いたい設定をワンタッチで切り替える(Layer 1:FN+<など)ことができる。ちなみにどの「Layer」が起動しているかは、4つ並んだ内の3番目のLEDインジケータ(Layer 1:Red/Layer 2:Green/Layer 3:Blue)で判別が可能だ。
あまり目立たない形で4つのLEDインジケータが内蔵されている。左から「LED 1/LED 2/LED 3/LED 4」の順番で、左端は初代には搭載されていなかった「CapsLock」のインジケータだ |
設定方法もまた、すべて「FN」キーと特定キーの同時押しによるハードウェアカスタマイズ。設定したい「Layer」に切り替えた状態で「FN」+「右Ctrl」キーを押すと、設定モードが起動する。
その際に4番目のインジケータが点灯(Blue)し、続いて変更対象のキーを押すと、LEDが点滅して入力受付モードに移行。ここで割り当てたいキーやマクロを入力し、「PN」キーを押すことで該当キーの設定が完了する仕組みになっている。最後にもう一度「FN」+「右Ctrl」キーを押すことで設定モードが終了、設定内容が確定する。左ユニットのキーを右側に割り当てれば、「Layer」を切り替えることで右側単体でフルキーボード入力をするといった離れ業も可能だ。
なお、「MD600」同様にキーレイアウトの変更(FN+”)も可能。通常のQWERTY配列から、「Dvorak配列」と「Colemak配列」に切り替えることができる。
2番目の「LED 2」は、キーレイアウトの判別用。3番目の「LED 3」は選択中の「Layer」を色別に表示、右端の「LED 4」はキーカスタマイズの設定中に点灯・点滅する |
底面に搭載されたDIPスイッチは、特定キー同士の入れ替えなどに使用。「CapsLock」と「右Ctrl」を入れ替えたり、「左スペース」を「FN」キーに設定したりできる |