エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.673
2018.07.28 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
外観周りをひと通り確認したあとは、内部構造をチェックしてみよう。凝った外観のPCケースとは違い、シンプルな設計が好印象な「Nova TG」。PCケースの良し悪しを決める内部構造には、モデル特有の仕掛けは用意されているのだろうか。4mm厚の強化ガラス製サイドパネルを取り外し、じっくりと観察しよう。
ストレージ収納スペースをフロントパネル裏手に集めた、オールドスタイル。これまで当たり前だったレイアウトが今や新鮮に感じる |
「Nova TG」の冷却構造は、決して得意とは言えないだろう。これは外観セッションで感じた事だが、フロントとトップパネルは密閉されており、大型ラジエターを搭載できる余地はなさそうだ。唯一露出しているのはリアのみで、ボトム面にもそれらしきは見当たらない。
スリムな中型筐体とあって「Nova TG」のエアフローレイアウトは外観デザインにならい、シンプルかつ最低限に留められている |
片側3つのファスナーで固定されたABS樹脂製フロントパネルを外す事で露わになる、シャーシ面の冷却ファン搭載スペース。ここには標準で120mm口径ファンが1基搭載されている。詳細スペックは開示されていないが、ブラックのフレームとインペラによるスタンダードな冷却ファンだ。さらにもう1基分の増設スペースも用意され、システムの必要に応じて追加搭載ができるようになっていた。このように120mm口径ファンが2基並ぶと240mmサイズラジエターを搭載したくなるところだが、残念ながらスペースに限りがあるため、25mm厚ファンの搭載のみに留められている。
BitFenixのロゴシールが貼り付けられた標準装備の120mm口径ブラックファン。内部吸気用として装備され、さらにもう1基を追加装備すれば、より多くの外気をPCケース内部に取り込む事ができる |
フロントパネルが密閉型だけに気になる通気口(吸気口)は、フロントパネル両サイドのメッシュ部分に加え、下部にも開口部が設けられていた。つまりフロント左右と下の計3箇所から吸気ができる仕組み。見た目の印象とは異なり、きちんと呼吸できるように設計されている |
フロント部に続き、リア部にも120mm口径ファン1基が標準で装備されている。こちらは赤いスケルトンインペラのレッドLED内蔵モデルで、コネクタは3pinおよび4pinペリフェラルを備え、いずれかが選択できる。ちなみにホワイトボディの「Nova TG」にはホワイトLEDが内蔵される。
スケルトン仕様のインペラは9枚。よく見るとフレームもスケルトン仕様のリブ無しタイプが採用されている。4pinペリフェラルコネクタも装備するため、マザーボード上のコネクタ不足や消費を抑えたい時には便利。ただし言うまでもなく回転数は検出できない |