エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.673
2018.07.28 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
次にドライブベイレイアウトをチェックする。まず最上段には5.25インチオープンベイ1段が装備されている。シンプルな外観が好まれる風潮と、そもそもの需要減少から、主に光学ドライブが搭載される5.25インチオープンベイは省略される傾向にある。とは言え、DVDやBlu-rayのニーズは確実にあり、5.25インチオープンベイを備えたPCケースの選択肢として、貴重な存在になるかもしれない。
さて「Nova TG」のフロントパネルを見ると、1段分の5.25インチオープンベイ用ベゼルが装着されている。一方でシャーシ側を見ると、計3台分の5.25インチベイが確認できる。つまり筐体の設計自体は3台分ながら、搭載できる光学ドライブは1台というワケだ。ベゼルが1台分しか装備されていない理由は定かではないものの、さすがに不足を感じる事はないだろう。
5.25インチ光学ドライブの固定は、中央のダイヤルつまみを回す事でロックができる、ツールフリー式のロック機構を採用。これを左右に設け、2.5インチ光学ドライブを左右からしっかり固定できる |
次にシャドウベイを見ていこう。まずは5.25インチオープンベイユニットの真下には、2.5インチ専用のケージ式ユニットを装備。ここには2.5インチSSDが最大3台まで搭載ができるようになっている。
見るからに幅が狭い、2.5インチSSD専用のシャドウベイユニット。ABS樹脂製専用トレイは3台分が用意され、左右のロックを解除すれば手前に引き出す事ができる |
2.5インチ専用シャドウベイの下には、ABS樹脂製の専用トレイが3台分確認できる。ここは3.5インチシャドウベイとなり、HDDが最大3台までマウントができる。比較的スリムなATXケース「Nova TG」は、外観のイメージとは異なり、5.25インチ光学ドライブが1台、2.5インチSSDが3台、さらに3.5インチHDDが3台の、計7台ものストレージが搭載できる。やや意外だが、高いストレージ収納力が特徴のPCケースである事が分かった。
2.5インチ専用シャドウベイと同様、左右のロック機構を備えた専用トレイが全3台分。後ほど組み込みセッションでは、実際にストレージを搭載してみよう |
拡張スロットはATXミドルタワーPCケースの標準となる全7段が用意されている。市場想定売価からも分かるように、エントリークラスのPCケースとあって、拡張スロットは必要な箇所を切り取って使用する仕組み。拡張スロット金具が予め独立してネジ留めされておらず、コストのスリム化が図られている。これを気にする人もいるだろう。とは言えグラフィックスカードを搭載すれば、全く気にならない構造であり、思いのほか固定に不安もない。切り取った拡張スロット金具(らしきもの)の再生が効かないが、ここは割り切ればいい。
予め切り抜きやすいようにカットされた拡張スロット金具(らしきもの)は、マイナスドライバーなどをスリットに差し込み、金属疲労により分離させる仕組み。なお無理に引き剥がそうとすると、枠を曲げてしまう事があるので慎重に作業しよう |
電源ユニットは一般的なミドルタワーPCケース同様、ボトム面に搭載するスタイルだ。おさらいすると、筐体の奥行きは465mm。底面にはフロント寄りに3.5インチシャドウベイユニットがあり、その残りが電源ユニットの居住スペースとして割り当てられている。なお現在流行のボトムカバー(シュラウド)の類いは装備されていない。
また搭載できるサイズは公称で奥行き180mmまで。搭載面には計4つのゴムクッションが装着済みで、外部に防塵フィルタを備えた通気孔がある。
奥行き180mmまでの電源ユニットがサポートされているはずだが、実際に3.5インチシャドウベイまでの距離を測ると約275mmほどのスペースがあった。余ったケーブルの置き場としても利用できそうだ |
電源ユニットの冷却ファン位置に合わせ、ボトム面には通気孔を装備。実測155x115mmのスライド着脱式防塵フィルタは背面引き出し式で、付着したホコリを定期的に取り除く事ができる |