エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.676
2018.08.10 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
封印シールを破り、いざ「E850」の内部構造を観察。なお、入力部が上部カバー側にある関係上、ユニット本体とカバーを分離させるにはさらに分解する必要があるようだ |
「E850」の内部は一般的な電源ユニットとは大きく異なり、非常にスッキリした構造になっている。これはSeasonicによるケーブルレス設計の賜物で、内部モジュラー側の背面パネルとPCBが銅板で接続。出力電圧の品質が改善し、排熱も有利になり、ケーブルの大幅削減により製造誤差の可能性も低下する。
また、DC-DCコンバータと並んで実装されている、Texas Instruments製DSPの小型基板も要チェック。この機構が電源ユニットのリアルタイムモニタリングを可能にしているワケで、シリーズの重要な個性の一つと言える。
モジュラー側のケーブルが存在しないケーブルレス設計のため、一般的な電源ユニットにありがちな束になったケーブル群は見当たらない。非常に整然とした印象を受ける |
ユニットを開梱すると、上部カバー側に固定されていた入力部。ノイズ混入や突入電流を防止するフィルターを備えている | ブリッジを備えた整流回路 |
力率を向上させるアクティブPFC回路 | 大容量コンデンサを備えた1次側の平滑回路 |
平滑回路に実装されていた日立製の105℃コンデンサ | そのすぐ近くには、ニチコン製のコンデンサが実装されている |
パルス信号に変換するスイッチング回路 | 電圧を調整しているメイントランス。通常とは異なるレイアウトのため、中央を外れて“壁際”に実装されている |
2次回路側は耐熱性と高速応答が要求されるため、固体コンデンサも採用されている | 基板上に実装されているのは、すべて日本製の高品質コンデンサだ |
DC-DCコンバータの手前に実装されているのが、TI製DSPが実装された小型基板だ。ベースモデルに比べ奥行きが10mm延伸しているのは、この機構のためかもしれない |
ケーブルレスを可能にしているのは、モジュラー側のパネルとPCBを銅板で接続している独自設計だ |
流体動圧軸受(FDB)を採用している、120mm口径の冷却ファン。型番は「HA1225H12SF-Z」で、回転数は最大1,800rpm、風量73.9CFM、騒音32.3dBAなど。セミファンレス動作に対応している |