エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.676
2018.08.10 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
最後は、実際のゲーミングシーンにおける挙動を想定し、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」のベンチマークテストを動作させる。ネイティブ4KやHDR 10対応がうたわれ、並大抵のスペックではリッチな環境でのプレイはおぼつかない重量級のタイトル。解像度は3,840×2,160ドット、グラフィック品質は“高品質”と、最も高い負荷がかかるように設定した。なお、連続30分のテスト中における消費電力は最大478Wだった。
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「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITIONベンチマーク」による各電圧の変化 |
「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITIONベンチマーク」による各電圧の最大/最小/平均値 |
ここにきて+3.3Vの波形が乱れるシーンがあったものの、それも一瞬。最大・平均値の差は0.019Vであり、ほぼ最大値に張り付いて動作しているのが分かる。また、+5Vは微小な差しかなく、+12Vに至ってはまったく変動がなかった。強力な負荷がかかるハイエンドマシンの心臓には、うってつけの電源ユニットだ。
NZXTが本格的に電源ユニットのカテゴリに再進出を図るべく、相応の意気込みを持って投入されたのが「E」シリーズだ。店頭でもトップクラスの評価を受けるSeasonicとタッグを組み、優れた設計をベースにして堅牢極まる電源ユニットが完成。さらにオリジナルの要素として、ユニット動作をモニタリングするDSPを組み込むといった、ハイテク機能を盛り込んだ。電源ユニットにとって重要な堅実さ、マニア受けする先進性を兼ね備えたモデルと言える。
信頼のSeasonic電源をベースにして、詳細なモニタリングとコントロール機能をプラスした「E」シリーズ。電源ユニットの本格リニューアルを狙う、NZXTの本気がうかがえる秀作だ |
特に詳細な消費電力の内訳だけでなく、個別の+12Vレーンの挙動すら把握できるというモニタリング機能は非常に完成度が高く、自在なファンコントロールも自作心がくすぐられる要素。「CAM」を使ったケースや簡易水冷のファン・ポンプ制御に慣れ親しんだNZXTユーザーにとっては、まさにこれ以上ない個性の電源ユニットだろう。ハイグレード寄りに位置する価格設定にも、なるほど納得。NZXTユーザーに留まらず、マシンの隅々までコントロールしたいエンスー層とも相性の良い1台だ。
協力:NZXT