エルミタ的「編集部で使ってみた」
2018.08.22 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
モバイル液晶ディスプレイの中には、USB-映像変換チップを内蔵し、電源供給と映像入力をまとめてUSB経由で行う製品がある。接続ケーブルが1本ですむため配線はスッキリと行えるが、使用するにはドライバのインストールが必要になり、PC以外では使えないという欠点もある。一方、「On-Lap 1102H V2」はHDMIやD-Subといった標準的なディスプレイ入力に対応するため、ゲーム機など幅広い機器で使用することができる。
標準的なディスプレイ入力に対応する「On-Lap 1102H V2」なら各種ゲーム機の接続も可能。さらに1W×2のステレオスピーカーを内蔵しているため、サウンドも問題なく鳴らすことができる |
ちなみに最新のゲーミング液晶ディスプレイに比べると応答速度が遅い点を気にする人もいるだろうが、アクションシューティング「スプラトゥーン2」や、バトルロワイヤルゲーム「フォートナイト」(いずれもNintendo Switch版)を試した限りでは、残像や遅延を感じることはなかった。よほどタイミングにシビアなゲームでなければ表示性能が問題になることはないだろう。
ゲーム機やDVDプレーヤーを接続すれば、ロングドライブの暇つぶしに最適だ |
また11.6インチのコンパクトサイズを活かし、車載ディスプレイとして使うのも面白い。今回はヘッドレスト部分にタブレットを固定するマウンタを流用してみたが、高さや厚さも問題なくシッカリと固定することができた。2~3時間程度のドライブであれば内蔵バッテリーで、それ以上のロングドライブなら別途モバイルバッテリーを用意しておくと安心だ。
今回は7~13インチまで対応する車載用のタブレットマウンタを使いヘッドレス部分に固定。高さ、厚さとも問題なく、運転中にグラついたり、外れることはなかった |
PC、特にノートPCで使うことを前提としていることもあり、USBバスパワー駆動の製品が一般的なモバイル液晶ディスプレイ。そんな中にあって6,900mAhの大容量バッテリーを内蔵し、電源の心配をすることなく、外出先で長時間動作させることができる「On-Lap 1102H V2」は、まさに画期的なアイテムだ。
またIPSパネルによる広視野角表示や、1,677万色カラー対応など、液晶ディスプレイで最も重要な表示性能については据え置き型モデルと比較しても遜色ない仕上がり。さらにHDMIとD-Subの標準的な入力インターフェイスや、ステレオスピーカーを搭載したことで、これまでのモバイル液晶ディスプレイでは難しかった、幅広いシステムでの運用が可能になっている。
高い汎用性と実用性を兼ね備えた「On-Lap 1102H V2」。今後はモバイルの魅力をさらに引き立たせるためにも、よりスリムな製品に期待したい |
ただ最近の液晶ディスプレイにしては大柄なベゼルや、やや反応の鈍いボタン類は要改善。GeChicには、モバイル液晶ディスプレイのパイオニアとして、今後はより使い勝手や外観にもこだわった製品づくりを期待したい。
協力:GeChic