エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.680
2018.08.25 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
最終セッションではAntec「P5」をベースに、実際にPCを組み上げてみよう。どうしてもAntecらしいシンプルなデザインに目が行きがちだが、やはりPCケースの善し悪しは内部設計で決まる。MicroATX規格対応のミニタワーPCケースだけに、おのずとチョイスする内部構成パーツに多少の制限があるかもしれない。製品の特性やサイズ、さらに事前に開示されている有効スペースを参考に、パーツ選定を行いたい。
ここでは実際にPCパーツを組み込みながら、周辺クリアランスや作業における注意点。さらにマニュアルや製品資料では分からなかった事などを詳しく解説していく。
最終セッションのスタートは、PCのベースとなる基幹部品・マザーボードを搭載してみよう。検証にはASRock「B450M Pro4」を用意した。7月31日より販売がスタートした、AMD B450チップ搭載のSocket AM4マザーボードの新作。MicroATXフォームファクタの中心的な存在と言えよう。
基板サイズは規格準拠の244mmx244mm。Antec「P5」には台座となる「スタンドオフ」が、マザーボードトレイへあらかじめ搭載された状態で出荷される。必要に応じて付属の「スタンドオフ」を追加搭載すればいい。なおこのモデルで使用されているのは内径ミリで、マザーボードの固定には付属の「ワッシャー付きミリネジ」を使用する。
スタンドオフはマザーボードのネジレイアウトに合わせ、必要に応じて追加する。なおこの時点で既にCPUは搭載済み。場合によってはCPUクーラーの装着も済ませておく |
上方向の空きスペースは実測で約25mm。冷却ファン増設スペースが不要だけに特に問題ないだろう | 右方向はフロントパネルまでの空きスペースで実測約150mm。ケーブルマネジメントホールも露出できている |
CPUクーラーにはAMD Ryzen純正品を搭載。トップフロー型だけに、高さ制限は全く気にならない | 使用しているのは「ANTEC MEMORY 5 Series」。ホワイトヒートスプレッダとASUS Aura Syncに対応するイルミネーション機能が特徴 |
Antec「P5」のCPUクーラー有効スペースは公称高さ155mmまで。幅195mmのミニタワーPCケースだけに、妥当な数値と言ったところだろう。どんなモデルにも対応とはいかないまでも、多くの選択肢が市場には溢れている。システムに見合ったモデルを選定しよう。
CPUクーラー有効高を実測してみると約160mm程度。公称はあくまで155mmなので、その範囲内と考えよう | CPUクーラーメンテナンスホール(カットアウト)は実測で幅130mm、高さ195mmだった |
マザーボードのマウントが終われば、次はグラフィックスカードだ。拡張カード有効スペースは最大360mmまで。これは標準搭載される25mm厚の140mm口径ファンまでの距離を指しており、現状流通するコンシューマ向けグラフィックスカードのほぼ全てが収まるはずだ。MicroATX規格のミニタワーPCケースとは言え、ハイエンド志向のゲーマーもターゲットとあって、こと重要視されるグラフィックスカードは全てをフォローしようという考えなのだろう。
ちなみに搭載テストに用意したのはASRock「PHANTOM GXR RX580 8G OC」だ。奥行きは公称278.81mmで、有効スペースの数値まではかなりの余裕がある。自作PC市場では300mm以下が主流だけに、主たる目的であるフィッティングの参考にはなるだろう。
拡張スロットのネジ穴に合わせて用意されたドライバー用の穴を使いグラフィックスカードを固定。25mm厚のフロント140mm口径ファンまでは実測で約100mmほどの空きスペースが確保できていた |