エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.685
2018.09.16 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
SuperO「C9X299-PG300」 実勢売価税込57,000円前後 製品情報(SuperO)(株式会社アスク) |
Supermicroのマインドを知っているユーザーなら、このタイミングの投入にも驚きは少ないかもしれない。Intel X299マザーボードとしては、かなり遅めのリリースとなる新製品「C9X299-PG300」がSuperOブランドから登場した。
元来サーバー・ワークステーション向け製品を手がける“サーバー屋”だけに、品質や信頼性へのこだわりは一際強く、製品リリースのスパンは非常に長い。特にIntel X299はサーバー寄りのHEDT(High-End Desk Top)向けプラットフォームとあって、そのノウハウを存分に活かした製品が出来上がった。X299搭載モデルでも最後発となる「C9X299-PG300」は、職人気質のSupermicroが万全をもって送り出した自信作というワケだ。
ようやく国内向けに発売が始まった、SuperOブランドのIntel X299マザーボード「C9X299-PG300」。これまで登場した製品にはない、“サーバー屋”ならではの機能や装備が詰まったモデルだ |
そうして生み出された「C9X299-PG300」は、どのような性格をもった製品なのか。まずトピックとして挙げられるのは、製品名の由来にもなっているTDP 300Wへの対応だ。EPS 8pinのCPU補助電源コネクタを2系統備え、余裕たっぷりの電力を供給。Core XシリーズCPUの強力なオーバークロックを可能にしている。
Core Xシリーズについては、最大18コアの最上位Core i9-7980XEなどTDP 165Wモデルが追っかけで登場。それを受けてオーバークロック向けマザーボードを手がけるメーカーの中には、アップグレードモデルを追加で投入した例もあった。Supermicroはその流れを超然と見守ってきた格好で、満を持して投入された「C9X299-PG300」は、競合を凌駕する圧倒的なマージンを備えたモデルとなった。
高効率かつ堅牢な電源回路、さらに2系統の8pinコネクタによるTDP 300W対応を謳う。“最短配線”のこだわりなど、独特の基板設計もSupermicroならではのものだ |
さらにオーバークロック性能だけでなく、24時間365日稼働を想定した「サーバーグレード設計」による高い信頼性も健在。特にCPUとメモリスロット・拡張スロットの配線を絶妙な角度で取り回し、最短で繋ぐ“最短配線”は、基板設計におけるユニークな特徴だ。電力損失を抑え安定動作を実現するための工夫で、サーバー製品で培ったノウハウが活かされている。
また、高効率な「Dr.MOS」やフェライトチョークなどで構成された、堅牢なデジタル電源回路を搭載。サーバー製品向け素材を用いた「ガラスエポキシ樹脂PCB」など、いずれも高品質コンポーネントが贅沢に使われている。
ウルトラハイエンドモデルながら、シンプルで押し出しの少ないパッケージ。その背面には、搭載機能や装備が網羅され、ひと目で把握できるようになっている |
そのほか、Aquantia「AQC 107」による10ギガビットLANとIntel「I219V」のギガビットLANを搭載する、強力なネットワーク機能も魅力。さらにヒートシンクを標準装備したM.2スロットとU.2スロットをデュアル実装、拡張スロットも頑丈なメタルスロットが採用された。
ソフトウェアで制御できるRGBイルミネーションも盛り込まれ、ゲーミング向けのフラッグシップモデルに相応しい構成に仕上げられている。