エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.687
2018.10.09 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
ASRock「Z390 Taichi」市場想定売価税抜33,980円前後(10月9日発売) 製品情報(ASRock) |
Intelのメインストリーム向けプラットフォームLGA1151に対応する「Intel Z390」。昨年10月に登場したIntel Z370の上位に位置づけられる製品で、帯域幅10GbpsのUSB3.1 Gen.2をチップセット機能に統合。さらに最大転送速度1.73GbpsのIEEE 802.11ac無線LANとBluetooth 5.0コンボカードが増設できる「Integrated Intel Wireless-AC(CNVi)スロット」の対応が追加されている。
Intel Z370に、USB3.1 Gen.2とCNVi機能を追加したIntel Z390。従来の「Z」シリーズと同じく、オーバークロック機能とNVIDIA SLIの対応も継承されている |
その他スペックに大きな違いはなく、CPUコア倍率変更によるオーバークロックや、NVIDIA SLI向けとなるCPUのPCI-Express3.0レーン分割機能をサポート。またインターフェイス関連に目を向けるとPCI-Expressレーンは最大24レーン、メモリスロットはDDR4-2666×4本(デュアルチャネル)、ストレージはSATA3.0(6Gbps)とNVMe SSD(Intel Optane MemoryによるHDDキャッシュも可能)に対応する。つまりIntel Z370とIntel H370のいいとこ取りをしたチップセットと考えればいいだろう。
Intel Z390チップセットのブロックダイアグラム図。CPUのPCI-Express3.0レーン分割機能を備えるため、NVIDIA SLIの構築も可能だ |
そんなIntelの最新チップセットIntel Z390を搭載するASRockの主力モデルが、今回の主役である「Z390 Taichi」だ。同社のIntelプラットフォーム向けモデルは初となるフルカバー仕様のM.2ヒートシンクを搭載。さらにオンボードのLEDライティング機能は先代の「ASRock RGB LED」から、アドレサブル仕様の「Polychrome RGB」にアップグレード。認証を受けた各種パーツや周辺機器との同期にも対応し、システム全体で統一したライティングが楽しめるようになった。
ブラックとグレーの落ち着いたデザインを採用する「Z390 Taichi」。チップセットには立体形状の印象的なヒートシンクを搭載しており、魅せるPCのベースにも良さそうだ |
また間もなく登場予定の第9世代Intel Coreプロセッサを見据え、電源回路にはIR製デジタルPWMで制御する「Digi Power」仕様の12フェーズ回路を搭載。さらに大出力を可能にする8pin+4pinの補助電源コネクタや、XXLサイズを謳う2ブロック構成の大型ヒートシンク、「ニチコン製12K Black Cap」など、実装コンポーネントにもこだわった安定性・信頼性を重視した構成は大きな魅力だ。
マニュアルのスペック表には間もなく登場予定の次世代CPU「第9世代Intel Coreプロセッサ」の対応が正式に謳われている |
そしてNVMe SSD/Intel Optane Memoryに対応する3スロットの「Ultra M.2」や、Type-A/Type-CのUSB3.1 Gen.2ポート、低遅延・低負荷なIntelチップによるデュアルギガビットLANなど拡張性も良好。さらに音質に定評のあるオーディオ回路「Purity Sound 4」や重量級グラフィックスカードを安全に支えるメタルスロット「PCIe Steel Slot」など、最近のマザーボードに求められる機能はもれなく実装されている。
これまでの「Taichi」シリーズと同様、拡張性も良好。ワークステーションやゲーミングPCとしても十分な実力を備えている |
なおASRockではバリエーションモデルとして、AQUANTIAチップによる10ギガビットLANや、CNVi対応の高速IEEE 802.11ac+Bluetooth 5.0ワイヤレスカード、電源とリセットの「SmartSwitch」を追加した「Z390 Taichi Ultimate」もラインナップしており、必要な機能に応じてユーザーが選択できるようになっている。
ASRock「Z390 Taichi Ultimate」市場想定売価税抜41,600円前後(10月9日発売) 製品情報(ASRock) |