エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.689
2018.10.22 更新
文:テクニカルライター・藤田 忠
まずは、CPUパフォーマンスを計測する「CINEBENCH R15」を実行。テストはCore i9-9900Kの定格動作に加え、オールコア5GHz動作にオーバークロックした状態でも実行している。
Core i9-9900Kの性能をしっかりと引き出しており、定格動作でも2,000cb越えを実現した。当然、オールコア5GHz動作時は、さらにスコアを伸ばし、マルチコアでは2,079cbを記録。オーバークロック設定はプロファイルを適用しただけだが、安定して動作しており、まだまだ上のクロックを狙えそうな感触だった。
続いてはストレステスト「OCCT 4.5.1」の「CPU:LINPACK」(64Bit、AVX、全論理コア)を20分間実行した際の消費電力をチェックする。ワットチェッカーのWatts up? PROを使用して、システム全体の消費電力を計測した。
さすがに最上位のCore i9-9900Kは定格動作時でも消費電力は233.7Wに達し、オールコア5GHz動作時は定格時から約10%アップした258.8Wとなった。
テスト環境は異なるが同テストを実行した際の「Core i7-8700K」の消費電力は180W程度になるため、50W近く増加することになる。コアの増加と定格時もオールコア4.7GHzで動作する点を加味すると、妥当なところと言える。定格動作でも200Wオーバーの消費電力となるCore i9-9900Kは、「ROG MAXIMUS XI HERO (WI-FI)」のような堅牢な電源回路や高耐久なコンデンサを備えるハイエンドマザーボードで使うのがオススメだ。
MOSFETヒートシンクやM.2ヒートシンクの冷却性能も気になるところ。そこで、ストレステスト「OCCT」とストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 6.0.1」を実行した際の温度もチェックしてみた。まずは、MOSFETヒートシンクに温度センサーを取り付けて、「CPU:LINPACK」実行中の温度を計測。MOSFETヒートシンクはマザーボード上部側を「ヒートシンク1」、リアI/Oパネル側を「ヒートシンク2」としている。なお、CPUクーラーにはオールインワン水冷ユニットを使っているため、MOSFETヒートシンク周りのエアフローは少ない。結果は、その点を踏まえつつ、見て欲しい。
定格運用時のヒートシンク表面温度は40℃台前半で、サーモグラフィーでもヒートシンク部分のスポット温度は最大48.3℃。オーバークロック時は、表面温度が48.9℃、サーモグラフィーでは最大53.1℃まで上昇した。CPUソケット周りのエアフローが少ないオールインワン水冷ユニットという点を考慮すれば、大型かつ放熱効果が高い形状のヒートシンクは十分に効果を発揮していると言える。
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