エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.692
2018.10.30 更新
文:テクニカルライター・藤田 忠
IntelメインストリームCPU初の8コア向けに投入された最新チップセット「Intel Z390」。これを機にMSIでは大胆にレーベルを刷新した。
従来の「ENTHUSIAST GAMING」に相当するエンスージアスト向け「MEG」シリーズを筆頭に、「PERFORMANCE GAMING」に変わり性能とスタイリッシュな外観を両立した「MPG」シリーズ、「ARSENAL GAMING」に変わり機能を厳選した質実剛健モデル「MAG」シリーズ。さらにビジネス向けの「PRO」シリーズで構成される。
今回の主役「MPG Z390 GAMING EDGE AC」は、「MPG」シリーズのメインストリーム向け「EDGE」に属するATXモデル。MSIが「完璧なバランス」と謳う製品で、ほかにMicroATXモデル「MPG Z390M GAMING EDGE AC」とMini-ITXモデル「MPG Z390I GAMING EDGE AC」の3種類のフォームファクタが用意される。
「MPG」とは「Designed Modish outlook and high Performance for the best Gaming experience」の略。MSI担当者いわく「流行最先端な外見と高性能で最高のゲーミング体験を」と語る |
用途に合わせてフォームファクタが選択できる「EDGE」。IntelギガビットLANとIntel Wireless-ACを標準装備、Mini-ITXモデルを除く2モデルはNVIDIA SLI対応かつRGBライティング「Mystic Light」も搭載 |
「MPG Z390 GAMING EDGE AC」の概要から確認していこう。外観は一見するとシンプルだが、バックパネルI/Oカバーやチップセットヒートシンクに刀の刃をモチーフにした“エッジの効いた”デザインを採用するなど、こだわりが光る。
電源回路は、デジタルPWMによる12フェーズ回路で、EPS 8pin+4pinの補助電源コネクタを搭載。また、2ブロック構成の大型MOSFETヒートシンクを採用するなど、6コアを超えるメニイコアCPUの運用を想定した強化が施されている。
「MPG Z390 GAMING EDGE AC」実勢売価税込23,800円前後 製品情報(MSI) |
また、ネットワーク性能の充実もチェックポイントだ。ゲームシーンにおける安定性や負荷の低さに定評があるIntelチップのギガビットLAN、「CNVi」スロットによる802.11ac無線LAN(+Bluetooth 5.0)に対応。USB3.1 Gen.2がチップセットに統合されたことにより、フロント用のType-Cコネクタも装備している。
その他、歴代のMSI製ゲーミングマザーボードの特徴を継承する独自機能を搭載。ゲーミングPCにとって重要なオーディオ回路には、左右のオーディオ回路を独立させてクロストーク発生を防ぐ設計を採用する。さらに「日本ケミコン製オーディオコンデンサ」を実装した「Audio Boost 4」を備える。ゲームサウンドの立体感や臨場感を大幅に向上し、マイク入力時のオートゲインコントロールも可能にするNahimic製サウンドユーティリティ「Nahimic Audio Enhancer」にも対応。迫力・臨場感満点のサウンドでゲームや映画を楽しんだり、クリアな音質で音楽を鑑賞できる。
Intel Core 9000シリーズを見据えた堅牢な電源回路やEPS 8pin+4pin補助電源コネクタ、2ブロック構成の大型ヒートシンクを搭載 |
オーディオ回路は、アナログ部分が独立しているゲーミングマザーボード定番の設計 | バーチャルサラウンドを楽しめる「Nahimic Audio Enhancer」。FPSゲームで、銃声などの発生方向を表示する「サウンドトラッカー」機能も備えている |
上記に加えて、MSI独自のレイアウトやデジタル電源設計にも触れておきたい。歪みのない電流をCPUに正確に供給する「Core Boost」や、メモリスロットからCPUへの回路設計を最適化することで安定性を向上させた「DDR4 Boost」、メタルシールドで補強されたPCI-Express3.0(x16)スロットの「PCI-E Steel Armor」。LED輝度変化スピードの調節ができるLEDライティング機能「Mystic Light 3」に対応する。
マザーボードの裏面にLEDを装備。PCケース内を反射光でスタイリッシュに彩ることができる |
パッケージは、シンプルだがカッコいいデザインを採用。裏面には搭載機能が記載されている |